和菓子店「甘味処 あんず」(萩市浜崎町浜崎4区)が11月5日、伝統的な旧家が多く立ち並ぶ萩・浜崎地区にオープンした。
場所は、1872(明治5)年に建てられ、3代にわたってかまぼこ製造業を営んだ「池部家住宅」。昭和初期の道路拡張による改修で道路側2間が切り取られ、表構えが斜めになった建物として知られている。
店主は池部家住宅最後の主の孫に当たる、ニックネーム「まい」さん。進学で萩を離れた後、管理栄養士の資格を取得して食を通じた接客業などを学び、Uターンして創業した。「昨年、祖父が他界し、池部家住宅をどうしようかと話していた時に、萩で食や接客の仕事がしたいという思いが芽生えた。かまぼこ屋だった当時の思い出が残る祖父の家で、新たな挑戦をすることにした」と話す。
建物内の1階・2階に客席を設け、テーブル席=6席、座敷席=8席、カウンター席=3席を用意。残された萩焼の器や家具なども活用する。
メニューは、「みたらし団子」(200円)、「塩豆大福」(220円)、「わらびもち」(660円)、団子とドリンクをセットにした「お散歩セット」(550円)などテイクアウトできる商品のほか、みたらし団子、ひとくち大福、わらびもちとドリンクのセット「あんずセット」(880円)や、団子を七輪で焼く体験を楽しむ「焼きだんごセット」(880円)、「ぜんざいセット」(770円)などをイートインで提供する。ドリンクは、コーヒーや和紅茶、小豆茶など8種類をそろえる。
まいさんは「オープン初日には子どもの頃から世話になっている地域の人が来て喜んでくれた。住んでいた頃には気づかなかった浜崎の街並みの良さを感じる機会が増えた。地元に根付き、普段使いしてもらえる店でありたい」とほほ笑む。
営業時間は10時~17時。休日はインスタグラムで知らせる。