昨年12月に倒産した「大黒屋製菓本舗」が12月7日、宇部・藤山に和菓子店「宇部大黒屋製菓」(宇部市文京町3、TEL 0836-39-8146)として再スタートを切った。
大黒屋製菓本舗は、餅の製造販売店として1929(昭和4)年に創業。以来、和菓子を中心に製造し高度経済成長とともに成長。スーパーや県内外の和菓子店への卸を中心とし営業してきたが、近年の価格競争のあおりを受け経営不振に陥り倒産。同店代表で大黒屋3代目の上田憲秀さんが「のれんを絶やしたくない」と再建に踏み切った。
現在は、製造の機能を和菓子店「万寿屋」(若松町4)に移し、同店から仕入れて販売する形をとっている。
約2坪の店内では「成金饅頭(まんじゅう)」(130円)、「塩ようかん」「萩夏ミカンようかん」(以上230円)、「ういろう」(300円)など、これまでも同店が販売してきた約10種類の和菓子をそろえる。そのほか、正月用のもち(360円~)の予約も受け付ける。
上田さんは「後を継ぐ者は私しかおらず、諦めなければ再建できると春ごろから考えていた。この一年間、悔しい思いで過ごしたこともあったが、今は再びのれんを出すことができてうれしい」と目を潤ませる。
今後については、「地産地消に特化したお菓子の開発を進めていきたい。店舗での製造販売をしていき、ゆくゆくは店舗展開もできれば。当店の味を好きでいてくれる方のためにも頑張っていきたい」と意欲を見せる。
営業時間は10~16時。日曜定休。