国の名勝庭園に指定されている宇部の宗隣寺庭園「龍心庭」(宇部市小串)で、モミジが色づき始めた。
約650年前の南北朝時代に築庭された山口県内最古の庭園で、国内に2カ所しかない山畔を利用した池庭の同庭には、モミジのほか、ツツジやサツキが植樹されている。
例年では10月末ごろから色づき始めるが、今年の様子について同寺の山中祐生副住職は「11月に入り少しずつ色づきを始め、気温の変化が激しくなってきたここ数日で葉が赤く変わってきた。現在の紅葉具合は『2分から3分』くらい」と話す。「今年は夏に雨が少なかったので、きれいに色を付ける前に葉が落ちてしまわないかと心配している」とも。
紅葉のシーズン中は、親子連れや高校生、カップルなどが多い日には100人以上訪れるという。
山中副住職は「この季節は年間通して最も趣のある庭をご覧いただける。庭は『物言わぬ説法』だと言われることもある。同じ紅葉でも見る場所が変わると見方が変わるように、心の置き場所を変えるとものの見方が変わることを感じてもらいたい。心の中にたまった何かを捨てて気持ちを楽にして帰ってもらえれば」と話す。
拝観時間は8時~17時。拝観料300円。見頃は11月下旬から12月上旬ごろまで。