美祢で土産品の製造・卸を手掛ける「楽喜」(美祢市美東町真名、TEL 08396-5-0014)が11月26日、山口限定「山口さんちのごめんなさいカレー」の販売を始めた。
同カレーは、名字が「山口」の人(旧姓も可)、山口県出身者、山口県内の店舗で購入できる人にのみ販売するレトルトカレー。名字検索サイト「名字由来net」が同月発表した「47都道府県庁所在地と同じ名字ランキング」で「山口」が1位を獲得したことを記念して発売した。
「開発の中で最も苦労したのはネーミングとパッケージ。インパクトを狙い、社員の意見を無視して反民主主義的に決定した(笑)」と吉田龍司社長。「山口さんと県内出身者しか買えなくてごめんなさいという意味はさることながら、家で留守番をさせた家族に『自分だけ山口県でおいしいものを食べてきてごめんね』というおわびとお礼の意味を込めて贈ってほしいと付けた」と真意を話す。
同カレーの味わいは「洋風中辛」。レシピは吉田社長の友人の栄養士が作ったレシピを基にした。材料には、山口県産の長州鶏や地元農家から仕入れるタマネギやニンジンを使用。県産にこだわりながらも、トマトだけは「予算などの関係から」(同社)アメリカ産のものを使う。価格は末広がりにあやかり、888円(2個セット、1個=399円)。
「食べられるiPhoneケース」の発売が話題を呼んだ同社。今回のカレーは3年ほど前から「県内出身者や山口さんに食を通じて山口県の良さを知ってもらい、おいしさをさらに周りに宣伝してもらうことで来県のきっかけになれば」と、県産食材を使った土産用カレーの開発に「まじめに」取り組んできたという。
吉田社長は「まさに山口の山口による山口のためのカレー。山口県はおいしいものが多いにもかかわらず、全国的にはフグしか知られていないことがとても悔しい。おいしい食材で作ったこのカレーで山口県の良さを知ってもらいたい」と意気込む。
現在、4000個を製造。県内の道の駅や山口宇部空港、新山口駅で販売するほか、県内のスーパーやSCなどでも展開する予定。