伝統工芸「大内塗」をテーマに公開対談-「伝統=編集」の視点から

哲学者・吉岡洋さん(写真=左)と大内塗職人の小笠原貞雄さん(写真=右)

哲学者・吉岡洋さん(写真=左)と大内塗職人の小笠原貞雄さん(写真=右)

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 山口情報芸術センター(山口市中園町、TEL 083-901-2222)のホワイエで9月29日、公開対談「進化する伝統~300年後の大内人形~」が開催される。6月から同センターで開催している「meets the artist 2007 編集ワークショップ『一冊の本をみんなで作る』」のプロジェクトの一環。

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 当日は、同プロジェクトのアーティスト兼編集長を務める哲学者・吉岡洋さん(京都大学大学院文学研究科教授)と、山口・道場門前にある「桑原大内塗店」の大内塗職人・小笠原貞雄さんが対談を行う。小笠原さんの経歴や苦労話、山口の伝統工芸である大内塗に対する思いを交えつつ、「進化する伝統」について対談するという。「伝統は人から人へと伝わっていく技術や情報でもあり、その伝達の過程で、常に編集され続けていると言えることから、伝統における『情報の編集』の意味に迫る」(同センター)というユニークな対談イベント。

 大内塗の大内人形は昔から今の形だったわけでなく、小笠原さんが皇太子殿下のご成婚記念として献上した際に、創り上げた形のものが広まったという話がある。同センター教育普及スタッフの山城大督さんは「大内人形と言うと昔から今の形のものが存在していたと考えてしまいがちだが、実は最近作られた形で、伝統の中に小笠原さんの編集作業が入ったと言える。伝統を受け継ぐときに起きる編集性を、小笠原さん本人の言葉で聞ければ」と話している。

 開催時間は14時~16時。入場無料。申し込み不要。

 対談の模様は、編集ワークショップ参加者の手で原稿化される。今回の対談のほかにも、今後、対談やイベントを開催していき、最終的にはこのプロジェクトから刊行する書籍にすべて収録されるという。書籍の規格はA5サイズ、約250ページで、書店で販売も行う。来年春に刊行を予定。

山口情報芸術センターmeets the artist ブログHiroshi Yoshioka桑原大内塗店(©マルニ)

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