宇部ときわ公園(宇部市則貞3)で10月4日から開催される「第26回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」に向け、彫刻作品の設置・搬入がピークを迎えている。
設置・搬入されているのは、昨年9月に行われた模型作品による1次審査で「実物制作指定作品」に進んだ18作品。彫刻作家が作業する様子などを間近に見ることができる。
園内に植えられていた、枯れた松の切り株・根を使った作品「宇部の木」を制作する京都精華大4年の竹腰耕平さんは「木の根を掘り出す作業からだと、もう2カ月ほど作業している。炎天下での作業の中、他の作家の方の姿を見て励まされてきた」と笑顔を見せる。「生きていた木の呼吸が感じられ、木とこの場所や木と自分との関係性を表した作品。ぜひ鑑賞してもらえれば」とも。
韓国から来宇したユニット「プロジェクトムーン」のチェ・ウン・ドゥンさんとウィ・セボクさんは、シカをモチーフにした作品「Transmigration(トランスミグレーション)」の塗装と仕上げを同園で実施。「本当に毎日暑くて大変。韓国で制作した粘土素材のパーツを市内の鉄工所で組み立てて、ここに運んだ。宇部の方にとても親切にしてもらえてうれしい」とセボクさん。作品にやすりがけする作業を眺める子どもに、チェさんが「一緒にやってみる?」と声を掛ける一幕も。
同園ときわミュージアムの学芸員・三浦梨絵さんは「2年に1度のビエンナーレの開幕が迫ってきたかと思うとわくわくする。作家の方や地元の方から同展への期待感も伝わってきている。これから搬入予定の作品もあるので、普段見られない光景を見てもらえたら」と話す。
作品の設置・搬入は今月25日ごろまで。同展は10月3日に受賞作品を決める選考委員会が開かれ、10月4日にオープニングセレモニーが開かれる。開催期間は10月4日~11月29日。