宇部で3月26日、ユニークな間取り図を鑑賞するイベント「間取り図ナイト最終回ツアー」が開催された。
一風変わった住宅の間取り図をスライドショーで紹介しながら、その間取りの家の住人の動線を「妄想」しトークを繰り広げる同イベント。主宰の森岡友樹さんが、これまで集めた間取り図1万枚以上から「厳選した」約300枚を紹介。県内初開催となった当日は、32人が参加した。
スライドショーでは、森岡さんが軽快なトークで「振り返ると便器がある台所の間取り図」や「物置を経由しないとトイレへ行けない間取り図」、「廊下がやたら長い間取り図」など、思わず何かを突っ込みたくなる間取りを次々と紹介。「室内総ステンレスの物件」や「離れだらけの物件」など実際の写真も登場し、画面が転換するたびに会場からは笑いとどよめきが起こった。
首都圏の住宅事情や地方の間取り図の特色、不動産事情などの豆知識も交えながらも「間取り図は絶対ではないので実際の物件は必ず見た方がいい(笑)。間取り図は、『行間』を読むことが楽しい」と極意を話した。
市内から参加した建築士の槌谷直美さんは「こんなに変な間取り図があるとは思わなかった。全部設計し直したい(笑)。楽しい時間だった」と笑顔を見せる。市内から訪れた板垣克昌さんは「トイレに便器が2つある間取りに衝撃を受けた。信じられないような物件が多くあり、今後間取り図を見る時はツッコミどころを探してしまいそう」と話す。
8歳の時、ログハウスの間取り図に引かれて以来、約30年間、間取り図に魅了されているという森岡さん。「間取り図に興味を持ち、日常的に触れることで、物件探しの時に役立つはず。見方が分からないまま物件を購入するのではなく、よりベストな行動で自分に合う物件を選べる人が増えれば」とほほ笑む。