ヒストリア宇部(宇部市新天町1)で4月11日、イスラエル出身の物理学者が始めた身体教育「フェルデンクライスメソッド」のワークショップが開かれた。
フェルデンクライスメソッドとは、体にとって心地よい動きを通して脳を活性化し、より効率的な動き方を学ぶもの。関東を中心に広がりを見せており、山口県内では初めてワークショップが行われた。
フェルデンクライスアカデミーが主催した同イベント。宇部会場を担当した「21世紀のライフデザイン」の代表・縄田理恵子さんは、2012年から同アカデミーのティーチャーズ養成コースで学び、昨年4月から市内のフィットネスクラブ「HBACC(ハバック)」(上宇部)で同メソッドのレッスンを行っている。
「東京でこのメソッドに出合い、効果を実感した。地元・宇部でも多くの人に体感してほしい。教室の生徒が20人を超えたこともあり、興味を持つ人が増えてきたこのタイミングでワークショップを開こうと思った」と縄田さん。
当日は、講師に「日本フェルデンクライス協会」理事の湊美勝さんを招き、リラックスした雰囲気の中、7人の参加者が同メソッドを体感した。
メソッドの一つ「ATM(アウェアネス・スルー・ムーブメント)」のレッスンでは、湊さんの「立ち上がって」「寝転んで」という簡単な指示で、それぞれが自発的に体を動かした。ペアで動きを観察してまねることで、お互いの動きの違いを知り、異なる動き方を学んだ。
「FI(ファンクショナル・インテグレーション)」では、湊さんが参加者の体に触れて動きをサポートし、「これまで自分では使わなかった動き」の気付きへ導いた。ペアワークも実施し、参加者は互いの体の変化を確認し合いながら、生き生きとした表情で取り組んだ。
周南市から参加した田中登紀子さんは、「知らないうちに固定観念が働いて自分の体の動きを制限していることに気付いた。ATMの後に歩くと体が楽になっていて衝撃を受けた」と驚く。
「フェルデンクライスメソッドレッスン」に昨年6月から通っている中村美夕紀さんは、これまでのレッスンで「力を抜く感覚がわかった。言葉にできない変化があり、気持ちや考え方も変わっていく予感がする」と話し、「ペアワークは初めてだった。人の体に触れることで自分の筋肉とも会話できるような気がした」と笑顔を見せる。
縄田さんは「参加者に満足していただけてよかった。メソッドは講師によって特徴が違う。私は心理療法を行っていたので、体も心も柔軟に過ごせるようなレッスンをしていきたい。県外からも受講者が訪れ、宇部の活性化にもつながれば」と意欲を見せる。