山陽小野田のパン店「石窯パン工房 須恵の郷(さと)」(山陽小野田市南竜王町、TEL 0836-84-8355)が9月17日、オープンから10周年を迎えた。
学校給食パンの製造やスーパーへの卸売りメーンにしていた山海食品工業(1964年創業)が2005年、店舗販売に業態をシフトして開いた同店。スペイン製の石窯で焼き上げる焼きたてパンを売りに営業してきた。
厨房(ちゅうぼう)が間近に見られるようオープンにした店内には、食パンやロールパンなど食事パンや総菜パン、菓子パンなど80~90種類のパンがずらりと並ぶ。
開店当時を振り返り「一か八かの賭けでの業態変更だった。当時は石窯焼きを売りにするパン店が県内でも少なかったことからか、オープンから1カ月ほどでお客さまがあふれるほどの盛況ぶりになり、それが3~4年間は続いた」と話す同社の福本秀憲社長。
オープンから5年後の2010年秋には、山口市方面からの来店客も多かったことなどから、工業団地・山口県流通センター内に山口店(山口市朝田)をオープン。以来、近隣住民や地元民を中心にファンを獲得し、現在は平日には300人、週末には500人の来店がある人気店となった。
こだわりは、パンの中に入れる具材やソースなども全て手作りすること。人気商品は「塩パン」(93円)や国産牛を使って3時間かけて作る自家製カレーの「カレーパン」(150円)、「石窯焼きPIZZA」(250円)などで、随時焼き立てを提供する。月替わりで季節素材を使った商品展開にも注力しており、9月~11月は「秋の収穫フェア」としてクリやカボチャ、リンゴを使った新商品を用意する。
「地域に根差し、愛される店になれたことが本当に喜び。『この店ができて良かった』と言っていただけた時にはじんとくるものがあった」と福本社長。「10年間で競合店も増えてきた。今後は、当店のカラーを出したオリジナルの商品開発を積極的に行い、日々努力を続けてお客さまとパン作りに誠実に歩んでいきたい」と笑顔を見せる。
営業時間は8時~19時(土曜・日曜・祝日は7時~)。月曜・第4火曜定休。