宇部の若手米農家が手掛ける商品「地獄のコシヒカリ」が現在、話題を呼んでいる。
同商品は、宇部在住の中垰二郎さん(31)が作る米。農薬や化学肥料を使わない米作りにこだわったことで「手間は増えるが収穫量は減り、有機肥料などが高騰する状況」に加え、「米の味にこだわって米選びをしている人が少なく、赤字の連続だった」ことから、「地獄のようである」ことがネーミングの由来。
「おいしい米を追求するが故の商品名。数年前、どう売ろうかと考えたときに『ネタ』として付けたのが最初(笑)。インパクトは強いが意外と受けは良い」と中垰さん。自身が描いた鬼の形相のイラストをパッケージに施す。
8年ほど前に脱サラした中垰さん。父・巧さんが下関市豊田町に持つ3ヘクタールの田んぼで米作りを手伝い、肥料の量などを変えながら収穫する米の味わいの違いを比べ、試行錯誤を繰り返してきた。
今秋には「たくみ商店」(黒石北2)を立ち上げ、現在は知名度の向上と販路拡大を目指しながら営業活動を行う。
商品ラインアップは、無農薬・無化学肥料で作る「プレミアム」(今年はすでに完売)、無農薬・無化学肥料だが除草剤のみ使用する「地獄のコシヒカリ」(10キロ=5,200円、5キロから販売)、「ヒノヒカリ(化学肥料、減農薬)」の3種類。
「『プレミアム』は特に手間が掛かり、害獣や害虫の被害で大変な思いをしたが、無農薬で育てた米のほうがおいしいと私自身が感じたからこだわりたい。今年は収穫量が少なかったが、まずまずの出来。安心して食べていただける米を提供したい」とも。
問い合わせは中垰さん(TEL 080-4467-4855)まで。