宇部ときわ公園(宇部市則貞3)の常盤湖で5月1日、6年3カ月ぶりに白鳥の飼育が再開された。
飼育する白鳥は雄と雌の各1羽で、1980(昭和55)年に同園から下関響灘ライオンズクラブに譲渡したハクチョウの子孫という。
同湖では60年前に白鳥の飼育が開始されたが、2011年2月に園内で死んでいる鳥から高病原性鳥インフルエンザが見つかり、感染拡大防止のため、当時飼育されていた白鳥やそのほかの鳥類300羽以上が処分対象になった。
以来、白鳥が姿を消していたが市民からの復活の要望が多く、市は高病原性鳥インフルエンザ対策マニュアルに基づく飼育法や、リスク軽減策の調査、動物の療養や手術ができる施設をときわ動物園内に新設するなどし、飼育が再開された。
同日、関係者や地元園児、市民ら200人が集まる中、湖に白鳥を放つ「放鳥式」が行われた。白鳥がゲージから勢いよく飛び出して湖に放たれると歓声が上がり、「常盤湖には白鳥が似合う」「復活してよかった」と声が上がった。
久保田后子宇部市長は式典で、「6年かけて協議を重ね、飼育設備・人的配置など綿密な準備を進めてきた。今日は白鳥復活の記念すべき日」とあいさつ。「野鳥が多く飛来する地域のため、準備は万全に整えたが油断はできない。元気にやってきてくれた2羽を、責任を持って安全に飼育していきたい」と話した。
今後は、最大飼育数は20羽程度としながら、春~夏に湖に放して飼育し、秋~冬に湖横に新設する飼育施設で飼育する体制を取る。