美祢・美東町の赤郷公民館(美祢市美東町赤)で7月16日、40年ぶりに結婚式が開かれた。
挙式したのは徳田勝幸さんと加奈代さん。美東町で働いていた勝幸さん(広島市出身)は、知人から赤郷地区にある築100年以上の古民家を紹介され、住環境に魅力を感じて昨年11月に移住。3月20日に婚姻届を出し、加奈代さん(萩市出身)と新婚生活を始めた。
2人は伝統的な「家婚式」に憧れがあったといい、「地域の人にも自由に参加してもらいたい」「地域を盛り上げていきたい」との思いから公民館での挙式を決めた。
同公民館での挙式は1977(昭和52)年以来、40年ぶり。会場設営や運営、食事提供などをはじめ、タキシードやウエディングドレスも2人の友人が手作りで準備。地域住民も設営の準備や片付けを手伝い、「夏祭りなどの地域のイベントを準備するように快くサポートしてくれたことがうれしかった」と勝幸さん。
当日は2人の親族や友人など約110人が出席。地域住民も参加できる人前式を行い、披露宴のテーブルラウンドではゲスト参加型で果実酒を作った。地域の祝い事で定番となっている「餅まき」を行ったほか、勝幸さんは同地区に残る伝統芸能「神楽舞」を披露した。
アットホームな式を終え、勝幸さんは「あっという間で、夢のようだった」と振り返る。「多くの人が自分のことのように喜んでくれたことがうれしい。準備からこれまでの時間を通して、地域に受け入れてもらっていることを改めて感じた。移住してきたからこそ分かる地域の魅力を、地元の人と再発見しながら、外にも発信して盛り上げていきたい」と笑顔を見せる。