山口・湯田温泉で10月4日、中原中也記念館（山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430）と人気コミック「文豪ストレイドッグス」のコラボイベントが始まった。

「文スト」作者による描き下ろしイラストも展示

　「文豪ストレイドッグス（以下、文スト）」は、キャラクター化された中原中也や太宰治、芥川龍之介などの文豪が、それぞれの作品にちなんだ能力で戦うアクション漫画。今回、中也が「同コミックの人気キャラクターとして話題になっている」（同館の細田萌美さん）ことからコラボが決定。中也生誕110年記念事業の一環として実施する。

　期間中、同館を中心にスポットを巡るスタンプラリーと、同館での企画展「コミックのなかの中也」を開催する。

　スタンプラリーでは、湯田温泉かいわいの「観光回遊拠点施設　狐（きつね）の足あと」「温泉舎」、JR湯田温泉駅、外郎（ういろう）店「松田松栄堂」など9カ所にポイントを設置。「文スト」に登場する宮沢賢治や森鴎外、与謝野晶子らの文豪キャラクターと併せて、中也と地元の結び付きを紹介する。

　企画展「コミックのなかの中也」では、中也や中也の作品が登場するコミック作品を集めて紹介するほか、作者による描き下ろしイラストやコメントも展示する。展示作品は、「文スト」「文豪失格」「眠兎（みんと）」「最果てにサーカス」「含羞（はぢらひ）－我が友 中原中也」。

　イベント初日には約800人の来館があったという。「20代の女性を中心にした『文スト』ファンが多く見受けられる。市内の中高生や、東京や兵庫など遠方からの来館もあり、予想以上の反響の大きさに驚いている」と細田さん。

　「中也が登場するコミック作品に注目し、1年ほど前から準備を進めてきた。湯田温泉のスポットを巡ってもらい、中也をいつもとは別の角度で見てもらえれば」とも。

　開館時間は9時～18時（入館は17時30分まで）。入館料は320円（大学・専門学校生＝210円、70歳以上・17歳以下無料）。月曜休館。来年1月21日まで。

　関連企画展として、狐の足あとでは企画展「アニメ『文豪ストレイドッグス』の世界観」、山口市立中央図書館では企画展「中也VS賢治　詩に捧（ささ）げた青春」を開催。11月23日まで。