宇部で10月30日、タクシードライバーが観光案内を行う「宇部グローバル観光タクシー」の運行が始まった。
宇部観光コンベンション協会内に事務局を置く「宇部DMO準備委員会」が行う取り組み。同日就航した山口宇部―韓国・仁川間の国際定期便に合わせて開始し、韓国人を主なターゲットにする。
同タクシーのドライバーは、事前に行われた研修会に参加し、韓国語での簡単なやり取りや、各国の風土やマナー、ハラールなどの食文化を学び、認定試験に合格した11人が務める。車体に韓国語で書かれた認定ステッカーを貼り、認定を受けたドライバーが運転していることを示す。
認定ドライバーは、指さしで意思を伝えるシートや市内のグルメ・土産物を紹介する外国人観光客向けのリーフレット、スマートフォンの翻訳アプリなどを使いながら接客し、観光案内を行う。
ドライバーの一人、宇部山電タクシーの前田節子さんは唯一の女性で、これまでにインド人や韓国人を接客した経験を持つ。「今まではジェスチャーでしか対応できなかったが、今回用意された指さし会話シートやリーフレットなどを使いながら、私の好きな宇部を案内したい。目的地にただ送り届けるだけでなく、一緒に歩いてお薦めのスポットを案内したい」と話す。
利用客は、山口宇部空港国際線ターミナル内の観光案内所で、通訳と相談しながら「昼の3時間コース」と「夜の2時間コース」のモデルコースを参考に、市内の飲食店、ときわ公園、温泉、夜景、工場見学など、時間内に行きたい場所を自由に決めることができる。利用料金は1人2,000円(12歳以下無料)で、2~4人の利用客が対象。
宇部観光コンベンション協会の担当者は「初めての試みなので、実証実験という意味合いも強いが、今年のUBEビエンナーレで韓国にゆかりのあるキム・キョンミョンさんが大賞を受賞したことで、ときわ公園を訪れる人が増加するかもしれない」と期待する。
同タクシーの運行は、韓国定期便が終了する来年3月24日まで。