宇部市渡辺翁記念会館(宇部市朝日町1)で12月8日・9日、「クリスマスコンサート」が開催される。主催は「山口音楽文化振興会 設立準備委員会」。
同コンサートは、同館に展示されている壊れたピアノを修復するプロジェクト「伝説のピアノ復活計画」の一環で、同館80周年にも合わせて企画した。同プロジェクトに賛同する、海外で活動するアーティストを招き、文化交流とピアノの復活に向けた呼び掛けを行う。
「伝説のピアノ」は、1922(大正11)年にドイツ・ハンブルクで製造され、同年に宇部発展の礎を築いた渡辺祐策らによって「宇部市立新川尋常小学校」(現・新川小)に寄贈されたもの。同委員会事務局長の真部尚志さんは「このピアノは戦火を逃れて、海外から訪れた音楽家が演奏した、宇部の音楽文化・歴史に深い関係のあるもの。文化振興のシンボルとして復活させ、貴重な資料として伝えたい」と話す。
12月8日は、オーストリア・ウィーンと東京を拠点に世界各国で演奏活動を行う碓井俊樹さんが、同館2階でロビーコンサートを行うほか、祐策のひ孫・渡辺裕志さんが「翁の志」をテーマに祐策の功績を振り返るギャラリートークを開く。17時開場。入場無料。
9日は、ドイツ出身のピアニスト、モナ=飛鳥・オットさんと大阪交響楽団メンバーが共演するコンサートを開く。演奏曲目は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「悲愴」「ヴェネツィアとナポリ」など。
真部さんは「今回は大阪交響楽団の方の協力を得ることができたり協力団体が増えたりと、私たちの活動に賛同していただける方が増えてきている。市民にこのピアノの価値を伝え、宇部の音楽振興にも力を入れていきたい」と呼び掛ける。
13時30分開場、14時開演。入場料は、指定席=7,000円(前売り=6,000円)、自由席=6,000円(前売り=5,000円)。問い合わせは、真部さん(TEL 090-7126-0573)まで。