山口県内の水力発電所で配布されている「発電所カード」が現在、総配布数1万2000枚を突破している。
トレーディングカードと同じサイズの同カードは、山口県内で電気事業・工業用水道事業を営む「山口県企業局」が、平瀬発電所(岩国市)の着工を記念して2015年7月に配布を開始。表面に発電所と発電機材の写真、裏面に所在地や形式、発電量などの各種データを記載する。
ダムを訪問した記念にもらえる「ダムカード」は全国のダムで配布しているが、「発電所カード」は同局独自の取り組み。同局の電気事業のPRや水力発電に対する理解を啓発しようと企画し、地方公営企業としては全国で初めて独自にカードを発行した。
これまで県内12カ所の水力発電所と建設中の平瀬発電所カードを配布し、総配布数が1万2000枚を超えた。配布数が特に多いのは、水越発電所(周南市金峰)と、昨年に運転・配布を開始した宇部丸山発電所(宇部市瓜生野)で、それぞれ約1350枚と約1200枚を配布した。
同カードを受け取るには、発電所やその周辺の写真を撮影し、発電所とは違う場所にある配布所の担当者にその写真を見せる必要がある。
水越発電所など4カ所のカードの配布を担当する水越ダム管理所の堀江良二さんは「カードを受け取りに来る人から、『山の中にあるダムや発電所を巡るルートを独自で調べながら苦労して集めることが達成感につながって楽しい』と聞いた」と話す。
宇部丸山発電所のカード配布をしている飲食店「ダムの郷(さと)」(宇部市木田)店員の吉本さんは「全体のうち半数くらいが県外の方。毎日4~5人がカードを受け取りに訪れる。ご年配の方や家族連れも多く、東京からカードを目当てに来られる方もいる」と話す。
配布されている12カ所の発電所全てのカードを集めると、色やデザインの仕様が異なる「コンプリート認定カード」がもらえる。現在コンプリートカードを受け取ったのは549人。
カードを配布する発電所や配布場所の一覧などは、同局ホームページで確認できる。