宇部西高校の教職員や生徒が手掛けた露天風呂庭園が4月3日、宇部・楠の複合施設「楠こもれびの郷」(宇部市大字西万倉、TEL 0836-67-2617)内の温浴施設「くすくすの湯」に完成した。
同校の永野博教諭が「宿場町船木の自然の風景」をテーマに設計し、教職員6人と総合学科環境系列新3年生の花田福陽さんと岩本天一さん、新2年生の近藤陸さんと山口玲士さんの10人が、3月22日から作業に取り組んだ。
花田さんは「学校ではできない経験ができた。セメントの硬さを調整する作業は初体験で苦労した」と振り返り、「くすくすの湯には普段から入浴しに来ている。僕が作ったものが残ることがうれしいし、友達や家族との話題にもなる」と喜ぶ。
日高俊和教諭は「地域の中で仕事を経験したことが、進路選びなどで役立てばと思う。この地域は江戸時代に宿場町として栄えたそうだが、多くの人に庭園を見ていただき、当時のように疲れを癒やしてもらえれば」と話す。
面積は約20平方メートル。既存の縁石や植樹を撤去した後に、水鉢や筧(かけい)の設置、貼り石、石材を組む「城積」などの作業を進め、林に見立てるダイスギ、季節感が楽しめるツツジやツバキ、モミジなどを植樹した。
同校は昨年秋に開かれた「山口ゆめ花博」に庭園を出展。その庭が楠こもれびの郷の運営会社「楠むらづくり」の河村美弥子統括マネジャーの目に留まり、今夏10周年を迎える施設の記念事業として露天風呂(北側の一浴)にある庭の改修を同校に依頼した。
河村統括マネジャーは「オープンから10年が経過して、さまざまな場所を修繕したが、利用客の目に見える改修は初めて。想定以上の庭園に満足しているし、何より春休みを使って施工してくれた先生や生徒に感謝している。今後も庭木の剪定(せんてい)などで関係性を続けていきたい」と話す。
工期中、露天風呂は休業していたが、4日からプレ営業を開始。楠こもれびの郷で「春の温泉祭」を開く7日11時から「お披露目セレモニー」を行い、作業の様子や工程を写した写真も展示する(今月中旬まで)。同日はステージイベント、パエリア鍋を使った「宇部一でっかい瓦蕎麦(そば)」といった飲食販売なども行う。開催時間は10時~15時。