宇部市在住で文化財装飾の修復を手掛ける修復家・日本画家の馬場良治さんの活動を紹介する展覧会「馬場良治展 日本画の世界 雨」が11月16日、ときわ湖水ホールアートギャラリー(宇部市大字沖宇部、TEL 0836-51-7057)で始まった。
主催は宇部市で、「アートによるまちづくり」を目指す取り組み「UBEビエンナーレ×まちじゅうアートフェスタ(UBEアートフェスタ2019)」の特別企画展。
馬場さんは宇部出身で、平等院鳳凰堂(京都府宇治市)や周防国分寺(防府市)などの国宝や重要文化財の彩色調査と復元技術の第一人者として活躍し、国の選定保存技術保持者に認定されている。日本画家としての活動にも力を入れ、日本美術院展への出品なども精力的に行う。宇部での展示会の開催は4年ぶり。
「雨」をテーマに、今回のメイン作品となる「氷雨」をはじめとした新作を10点、「菖蒲」などの過去作3点の計13点の作品を展示。見る者によって感じ方の違う「雨」を通じて、心の触れ合いを描く。初日のオープニングイベントとギャラリートークには100人近くが来場した。
宇部市UBEビエンナーレ推進課の三浦梨絵さんは「初日から多くの方が見に来てくれている。作品一つ一つをじっくり見て、いろいろなことを想像しながら楽しんでほしい」と話す。
開廊時間は10時~16時。火曜休館。入場料は500円(高校生以下・70歳以上・障害者手帳提示で無料)。12月8日まで。問い合わせは宇部市UBEビエンナーレ推進課(TEL 0836-51-7282)まで。
旧吉部小学校(宇部市大字東吉部)では「馬場良治展 文化財装飾復元模写の世界」が9月29日から開催されている。これまでに手がけた三千院や平等院の修復関連資料をパネルや映像で展示し、修復家としての活動を紹介している。