楠こもれびの郷(さと)の農業研修交流施設「万農塾(ばんのうじゅく)」(宇部市大字西万倉、TEL 0836-67-2626)で3月30日、「第6回万農塾卒塾式」が行われた。
今回卒塾した、山口市出身の宇多田大智さんは大阪の植物卸会社に勤めていたが、地元で働きたいという思いからUターン。山口県立農業大学校(防府市大字牟礼)の社会人研修部門で農業を学んだ後、2019(平成31)年4月1日に「万農塾」に入塾した。
「万農塾」は、これまで野菜を中心とした栽培管理技術や出荷技術の研修を行ってきたが、宇多田さんの希望もあって初めて「観葉植物(アガベ)」をテーマにした研修も行った。
4月以降、宇多田さんは宇部市厚東地区に就農し、観葉植物やほうれん草などの野菜を栽培。収穫した野菜は直売所などで販売するほか、観葉植物はネットでの販売を予定している。
万農塾の森部実喜塾長は「宇多田さんは若いこともあって研修中に進路の方向転換で試行錯誤したが、今は良い方向に固まってきたと感じる。卒塾後に新規就農と同時に農事組合法人『ふるさと吉見』の構成員としても就農するという新しいパターン。今後は地域の担い手として頑張ってもらいたい」と話す。
宇多田さんは「万農塾で学ぶことで経営などの実感が湧いてきた。観葉植物は野菜ほど需要がはっきりしないものだが、はやり廃りを追わずに自分でブームを作っていきたい。地域に入っていく際にお世話になった『ふるさと吉見』の方にも恩返ししていければ」と話す。