1日1組限定の一棟貸切の宿「柚葉-yuzuha-」(美祢市秋芳町別府)が7月23日、弁天池近くにオープンした。
オーナーの荷川取明日香(にかどりあすか)さんは、大阪出身で現在は宮古島在住。荷川取さんの祖母の家が美祢市美東町にあり、子どもの頃からお盆やお正月には家族で訪れていたという。
改装した古民家は1900(明治33)年に建てられたもので、荷川取さんが成人し、結婚後に子連れで美祢を訪れた際、「家族で気兼ねなく泊まれる場所があれば良いな」と思っていた時に、この古民家に出合った。「築120年とはいえ、まだまだ使えるこの古民家を再生して活用できれば」と考えて購入。自分たちが使わない時は他の人に使ってもらえるようにと一棟貸しの宿としてオープンした。
荷川取さんは「大人になってから美祢に来た時、子どもの頃には気づかなかった自然の素晴らしさに感動した。大阪にも宮古島にも、山や田んぼがない。だからこそ緑がある世界ってすごく癒やされるんだなということに気づかせてもらった。秋吉台や弁天池も近くにあるので、ここに来た人に美祢の良さを感じてもらえたらうれしい」と話す。
施設の管理は、荷川取さんの母が行っており、ゲストの宿泊中は施設内にスタッフは常駐しない、セルフチェックイン・セルフチェックアウト方式。1日1組限定のため滞在中はプライベートな空間を楽しめる。
部屋の間取りは6畳の和室が2部屋と、12畳のリビングスペース、キッチン、洗面所、バス、トイレ。冷蔵庫や洗濯機などの家電や、調理器具、シャンプーなども常備し、滞在中は施設内の設備を自由に使える。食材を持ち込んでの調理や、庭でバーベキューや花火をすることも可能。
荷川取さんは「オープンしてから1カ月、ファミリー層はもちろん、友人グループで利用される方も。コロナ禍で人と集まることが難しい部分もあるが、プライベートな空間だからこそ気の合う仲間で利用してもらえたらいいなと思っている」と話す。
今後については「古民家の魅力や美祢市の良さをもっとたくさんの人に知ってもらいたいので、イベント等でも使ってもらえるように時間貸しもしたいと考えている。近所に買い物できる場所がないので、近所のお年寄りに喜んでもらえるようなことができたらいいなとも思う。ここを使いたいと思ってくれる人に、使い方を提案していただいて、いろいろな形で活用してもらえたらうれしい」と話す。
チェックインは15時~23時、チェックアウトは11時。定員は6人。予約は、ホームページまたは各種宿泊予約サイトからで、料金は利用プランや時期によって異なる。問い合わせはメール(yuzuha.time@gmail.com)で受け付ける。