琴崎八幡宮(宇部市上宇部大小路)で12月9日、一年間の汚れやけがれをはらい清める「すす払い神事」が行われた。
「正月事始め」として行われる毎年恒例の同神事。隣接する神宮林から切り出した約長さ6メートルのササ竹で神職4人、巫女(みこ)1人の計5人が本殿の屋根や境内全体にたまった埃(ほこり)を払った。
同神社宮司の白石正典さんは「今年は大変な年だったが、すす払いで境内全体をきれいにすることで、神さまもきっと喜ばれていると思う。一日も早くコロナが収束して、災害もなく穏やかな年になるよう願いを込めた。心新たにくる年を迎えるために参拝いただけたら」と話す。
初詣に向けた準備を進める中、新型コロナ対策として参拝客が振り鈴を鳴らすための縄「鈴緒(すずお)」を取り外し、使用を中止にした。初詣参拝客の密や不特定多数の接触などを避けるためで、平安時代から続く同神社の歴史の中で初めてのことという。
そのほか、感染防止のため手水鉢の柄杓は置かず、青竹から出る流水で手を清めてもらうほか、手指のアルコール消毒やマスク着用、三が日を避けて旧正月に当たる2月3日までの「分散参拝」を呼び掛けている。
権禰宜(ごんねぎ)の白石憲一さんは「例年の初詣よりも気を遣いながらの参拝にはなると思うが、当神社でもさまざまな配慮をしているので、安心安全に参拝していただけるのでは」と話す。