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萩にレストラン「彦六又十郎」 古民家を改装、店主「新しい価値観を示したい」

「町全体が盛り上がり、農家がもうかる仕組みを提供したい」と話す店主の岡本さん

「町全体が盛り上がり、農家がもうかる仕組みを提供したい」と話す店主の岡本さん

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 カフェレストラン「彦六又十郎(ひころくまたじゅうろう)」(TEL 080-3055-4336)が萩市明木にオープンして約1カ月がたった。

海外レストラン風のメニュー

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 店主は、萩市地域おこし協力隊として今年3月まで活動していた岡山県出身の岡本智之さん。岡山で飲食店を経営し、その後ヨーロッパやペルーで料理人の経験を積んだ後、2018(平成30)年に「食材や環境が料理に適している」と萩へ移住した。

 築100年以上の古民家を地元の人と一緒になって改装したという店内からは、明木地区の豊かな自然の眺めが楽しめる。店名は江戸時代から明木に伝わる2人の英雄の名前から名付けた。

 「そこでしかとれない食材で、そこでしか得られない体験」をモットーに地元産食材にこだわり、コーヒー(400円)やパンナコッタ(400円)などカフェメニューのほか、「長萩和牛すじ肉のビール煮込みカレー」(850円)などフードメニューを提供する。

 金曜・土曜の夜には「海外で見たレストラン風」(岡本さん)のディナーコース(4名以上、3,500円~)も用意する。

 オープン後について、岡本さんは「コロナ禍で休業する店も相次ぐ中、ありがたいことに開店前に行列ができるほど多くの方の来店がある。地元の方からも『うちの野菜を使ってみないか』という声が増えてきた。『こんな何もない所に出店して大丈夫か』と心配してくださった方を安心させることができたのでは」と話す。

 「かつて経営した飲食店を起点に町おこしを成功させた実績もあるが、店がはやりすぎたことで、自分のやりたいことと社会の価値観とが次第にずれていって店を売却して海外へ渡った。リセットして再構築するべく今に至っている。スタッフへの好待遇も大切にしながら移住者を呼び込み、地方で週4の飲食業でも生きていけるんだという働き方の新しいモデル、価値観を示したい」とも。

 「この店はあくまで点であり、最終的には農家が食べていける仕組みを作りたい」と岡本さん。「地元の人は『こんな町なんて』と卑下しがちだが、生産者と距離が近く面白い食材が豊富な萩の良いところと、打破しなければならないところの両方とに向き合い、生きるということの価値観を共有できる人を増やしていければ」と意気込む。

 営業時間は、12時~17時、18時~21時(金曜・土曜のみ。夜コース料理は営業日以外でも受付可)。月曜~水曜定休。

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