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長門に焼き鳥店「田中家」 地域おこし協力隊やきとり推進担当が起業

「30年間頑張ってきたお店に、もう一度命を吹き込んでいく気持ち」と田中さん夫妻

「30年間頑張ってきたお店に、もう一度命を吹き込んでいく気持ち」と田中さん夫妻

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 長門市東深川に5月19日、炭火焼き鳥店「田中家(たなかや)」(TEL 0837-27-0505)がオープンした。

「田中家」店内の様子

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 店主は、長門市地域おこし協力隊やきとり推進担当を務めていた田中陽一郎さん。妻の美樹さんが一緒に店を切り盛りする。

 田中さんは大阪出身で、20代の頃に一度焼き鳥店の店長をした経験はあるが、その後は飲食とは異なる仕事に携わってきた。「自分にしかできないことは何か、地域に貢献したい」と考えていたところ、長門市が人材を募集していることを知り、2019年12月に着任した。

 やきとりのまち長門推進事業担当として、市内の焼き鳥店で知識や技術を得ながら、長門の焼き鳥文化を市内外に発信する業務を遂行してきたが、昨年12月、新型コロナの影響で1年間閉めたままの店舗での起業を打診され、それを受けて退任した。

 店名は、自分の名字に家を付けた。「子どもからお年寄りまで、誰もが知り合いの家に遊びに来る感覚の大衆的な店になってほしい」との思いを込めたという。

 田中さんは「長門は、養鶏業と飲食店の距離感がぎゅっと濃縮されている。朝にさばいた鶏が、昼には店舗に届くので、夜には新鮮でプリプリなものをお客さんに提供できる。この流通の仕組みが可能だからこそ、一般的な価格でレベルの高い焼き鳥店が経営できる」と長門の魅力について話す。

 提供するものは地産地消にこだわり、たれは地元のしょうゆをベースに長門産の果物や黒糖、県内産の地酒をブレンドするほか、炭も市内産と県内産のものをミックスして使う。

 メニューは、やきとり串(140円~)、変わり串(110円~)、野菜串(140円~)など。サイドメニューとして、揚げそばチキンサラダ(480円)や平太郎の南蛮漬け(430円)などを用意。ドリンクは、近隣では珍しい銘柄のアルコール類をそろえるほか、ノンアルコールとして「田中家特製ソフトドリンク」なども提供する。

 一品料理を担当する美樹さんは「素人だったので準備が大変だったけど、自分も周りも幸せになる店にしていきたい」と笑顔を見せる。

 田中さんは「ステークホルダーといかに良い関係でいられるかを強く感じている。例えば、食材を仕入れさせてくれる業者や店舗を施工してくれた業者など、外からは見えない関わりがあるからこそ営業できている。いろいろな人への感謝を表現する場としていきたい」と話す。

 営業時間は17時~22時。水曜定休(5月は無休)。

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