宇部・西岐波の「吉田芋粥(いもがゆ)会」が6月20日、春に現れる女王バチを捕獲する「スズメバチトラップ」を回収した。
同会の会員が自宅近くでスズメバチに襲われたことをきっかけに2012(平成24)年に始めた同取り組み。宇部市生活衛生課の指導の下で焼酎や乳酸菌飲料を使ったトラップを作り、サイズや誘引剤などの改良を重ねながら活動を続けて10年の節目を迎えた。
メンバーの布田悟さんは「今年は雨などの気候の影響か、春先に飛んでいる数が少なかったのであまり捕獲できないかと思っていたが、思ったよりは入っていた。新型コロナの影響で普段の芋粥会の活動は制限されているが、トラップの設置や回収を通じて会員の様子をうかがうきっかけにもなった」と話す。
今年はトラップ約80個を5月9日に設置した。回収したトラップ内には、スズメバチ183匹(オオスズメバチ56匹、キイロスズメバチ127匹)、アシナガバチ91匹が入っており、最も大きい女王バチは体長約5.5センチだった。
トラップには、焼酎・オレンジジュース・食酢・乳酸菌飲料を使用。購入にかかる費用などは全て同会の会費で賄っている。布田さんは「普段の活動ではあまりないことだが、スズメバチトラップの回収に行くと飲み物の差し入れなどをもらうことがある。皆さんが応援してくれていると感じる」と話す。
福田和夫会長は「この10年間で自治会や地域にも認知されるようになり、活動が地域に定着してきた。他地域の方から活動について批判的な声を頂くこともあったが、きちんとお話しすれば分かってもらえた。芋粥会の中でも、全員が参加し協力して行う行事の柱になっている。今後もできる限り続けていきたい」と話す。