絵画展「CUBE展(ぼちぼち)」が7月8日、宇部市文化会館(朝日町)の第2展示室で始まった。
同展は、1999(平成11)年に設立された絵画教室「CUBE(キューブ)」が毎年開催しているもので、今回で21回目を迎える。同教室には現在、38歳から85歳の19人の生徒が在籍している。
今回は、過去に在籍していた人も含めた23人が46作品を出展。油絵を中心に、アクリル画、水彩画のほか、線を主体に描く「ドローイング」や「スパッタリング(霧吹き)」といったさまざまな技法や素材を使った作品が展示されている。
主宰は、宇部在住で東京芸術大学卒業の美術家・原井輝明さん。現在は、宇部フロンティア大学短期大学の美術教師としても指導に当たっている。原井さんは「それぞれが異なる表現の仕方で作品を作り上げ、個性あふれる作品ばかり。教室でもテーマのモチーフとなる素材は自分で決め、自分らしい絵や自己表現の仕方を見つけてもらう」と話す。
同教室に通って14年という河村邦夫さんは「昔、船乗りをしていた。2つのキャンバスを使って対比を表現した。激しく荒れている海は、コロナで大変な今の時期を表した『今日』で、隣の穏やかな海が『明日』。『待てば海路の日和(ひより)あり』ということわざのように、今は思うようにいかなくても、焦らず待っていればまた明るい日が必ずやってくる。未来を信じようと願いを込めた」と話す。
原井さんは「絵を長く続けてもらうためにも、絵を見る場所や発表できる場所をこれからも大事にしていきたい。作品の横には作者の思いを併せて展示しているので、意図をくみ取ってもらいながら作品を見て楽しんでいただきたいし、絵を描いてみたいと思う人が増えればうれしい」と笑顔を見せる。
開館時間は9時~17時(最終日は16時まで)。7月11日まで。