JR新山口駅近くに設置されたタイ料理の自動販売機が現在、SNSなどで話題を呼んでいる。
場所は同駅近くの産婦人科医「こうのとりクリニック」(山口市小郡花園町)の前で、東京都内とタイでタイ料理店を14店舗展開する「SUU・SUU・CHAIYOO(スースーチャイヨー)」(東京都大田区)が9月29日に設置した。
同社サポートオフィス通販担当の川本緑さんは「自宅で手軽に本場のタイ料理を食べてもらいたい、自社の味を全国に届けたいという思いで昨年から通販サイト「スースーデリ」を開設し、若い世代には届けられるようになってきた。コロナ禍でテークアウト需要が加速したこともあり、自販機を設置することでより幅広い方に興味を持ってもらいたいと考えたのがきっかけ」と話す。
同社の川口洋社長の姉が「こうのとりクリニック」に勤務しており、商品の補充などを手伝ってくれることから、同所に同社初の自販機を設置した。10月22日には同社事務所入り口に2台目を設置し、12月には都内のタイ料理店前にも設置する予定という。
商品は真空パックに入れて冷凍で販売する。自販機はサンデン・リテールシステム(東京都)が製造する冷凍自動販売機「ど冷(ひ)えもん」で、右側のタッチパネルで商品の番号を選んで購入する。
現在の商品ラインアップは5種類。「タイの本場の味を追求し、タイのしょうゆやナンプラー、ハーブなど本場の調味料を使い、辛さも再現している」と川本さん。
鶏ひき肉のバジル炒め「ガパオガイ」、鶏肉入り「グリーンカレー」、エビ入りあっさりチャーハン「カオパットクン」(以上、2食入り1,360円)、チェンマイ地方のカレーラーメン「カオソイ」(880円)、ライス付きの「レッドカレー」(1,000円)の5種類。商品は今後入れ替えていくという。
設置後の売れ行きについて、川本さんは「人口があまり多くないと聞いていたので1日1個ぐらいしか売れないのではと思っていたが、1日に10個売れることもある。タイ料理の自販機は珍しいと思うので、近隣住民の方が興味を持って購入するほか、住んでいる外国の方や単身世帯が多い地域というのもあったのでは。リピートしてくれている方もいる様子で、予想を上回るうれしい誤算」と話す。
「この自販機を全国に広めて、自販機での購入をきっかけに一度タイ料理を食べてみてもらいたい。胸を張って『おいしい』と言える料理なので、タイやタイ料理のファンが増えてくれればうれしい。地域ごとのニーズに合わせたメニューを自販機で提供してお届けしていきたい」とも。