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宇部・霜降山に新たな登山道「温見古道」 湖へつながる道、地元有志らが整備

「霜降山に多くの方が訪れるようになってほしい」と伊藤さん

「霜降山に多くの方が訪れるようになってほしい」と伊藤さん

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 宇部・厚東の「霜降山」(標高約250メートル)に新たな登山道が整備された。

整備した「温見古道」

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 前城、後城など5つの山から成る霜降岳(本城)の整備をしている「NPO法人霜降会」のメンバーで、厚東出身の伊藤信夫さん(68)が発起人となり、昨年11月初旬から同会のメンバーや地元の有志らが作業を始めた。

 伊藤さんは「体が動くうちにどうにかしたいと思っていた。霜降山にはいくつか湖があるが、子どもの頃によく遊んでいた湖に行ける道をもう一度整備して、こんなにきれいな湖があることを知ってほしい」と話す。

 1903(明治36)年に作られたという地図にも同山道は記載されているが、「50年以上前までは通行可能だったが、やぶ化が進んでとても歩ける状態ではなかった」と伊藤さん。

 その地図に記載された道に沿って整備を進め、15回ほど通って木を伐採したり、やぶを払ったりしたほか、岩を使って足の踏み場を作るなど自然を壊さないように心掛けて作業し、昨年12月末には人が歩ける状態になった。1月下旬現在も通い続け、整備を続けているという。

 場所は、持世寺から温見集落の池を通るコースで、整備した登山道は「温見古道(ぬくみこどう)」、湖は「癒(いや)しの湖」と名付けた。今年中に「厚東郷土史研究会」と共同で製作する案内板を男山駐車場に設置し、初めての人でも分かりやすいようにする予定。

 「道はすっかり荒れ果ててしまっていたが、少年時代に見た湖は変わらぬままの姿だった。平たんな道が多く、年配にも登りやすいと思うので、あの頃を思い出して懐かしんでもらえたら」と伊藤さん。

 「後城と本城の姿を見ながら行けるコースはこの道だけ。春にはミツバツツジが咲く。安心して登れるように整備したので、多くの人に訪れて歩いてもらいたい。今後もきれいな自然を守っていければ」と笑顔を見せる。

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