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山口で打楽器奏者・石若駿さんとAIが共演へ 即興のセッション披露

石若駿さんのセッションの様子(©撮影=三嶋一路、写真提供=山口情報芸術センター[YCAM])

石若駿さんのセッションの様子(©撮影=三嶋一路、写真提供=山口情報芸術センター[YCAM])

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 打楽器奏者とAIが共演する「Echoes for unknown egos(エコーズ・フォー・アンノウン・イゴス)―発現しあう響きたち」が6月4日・5日の2日間、山口情報芸術センター(YCAM、山口市中園町)で行われる。

バックステージツアーの様子

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 同公演には、国内外で活動する打楽器奏者・ドラマーの石若駿さんと共演するオリジナルの打楽器や石若さんのパフォーマンスを学習し自律的に演奏を行う人工知能(AI)などが登場し、即興のセッションを繰り広げる。

 石若さんは、「くるり」や「millennium parade(ミレニアムパレード)」などの楽曲でドラムを担当。細田守さん監督のアニメーション映画「竜とそばかすの姫」(2021年、日本)の主題歌でも担当した。同企画は、2019年にYCAMで行われた公演「Sound Mine」からYCAMとコラボしている石若さんが「自分自身と共演したらどんな音楽が生み出されるのか」と発想を抱いたことから始まったという。

 技術面を担当するのは、YCAMの内部に設置された研究開発チーム「YCAMインターラボ」や、音楽表現にAIを活用する研究者かつクリエーターの野原恵祐さんと小林篤矢さん。およそ1年半をかけ、さまざまな音の表現を可能にする人工知能をはじめとするオリジナル打楽器などの「エージェント(代行者)」を開発した。

 会場には、ドラムセットを中央に、コンゴやフロアタムシンバル、ピアノなどの楽器、抽選機のようなオリジナル楽器などを設置。AIでメロディーを生成してスピーカーから音を出したりピアノを演奏したりするほか、石若さんと共演する「ソレノイド」は、電気エネルギーを機械的運動に変換する電気部品が、パーカッションを叩くことで音を生み出しているという。

 YCAMによると「AIは音の強弱や石若さんのクセ、テンポ、リズムなどを学習している。石若さんらしい音も鳴らしたり、ときには石若さんを触発するような音の響きを出したりもする」という。

 5日にはサックス奏者の松丸契さんもゲストで参加する。公演に先駆け、今月21日にはバックステージツアーが行われ、約20人が参加した。同公演の一環として、同施設内のホワイエでは、シンバルのインスタレーションを発表する展覧会「Echoes for unknown egos with cymbals」も行われている。展示は6月12日まで。

 石若さんは「人と違って集中して音に耳を傾けないと、どんな音を出してくるか全く予測ができない。人同士のセオリーが通じない相手だからこそ面白いし、自身の新たな音楽性の引き出しや表現ができることを共演者たちと再発見できた。AIとの共演は、ほとんどのミュージシャンがまだ経験していないと思う。未知の音との出会い、僕のエージェントに寄り添った演奏、そしてエージェントの演奏、それぞれの掛け合いの距離感も楽しんでもらえたら」と話す。

 料金は3,000円(高校生以下=300円)。当日券のみ。

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