宇部ときわ公園で今秋開かれる「第29回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」に向けて現在、彫刻作品の設置・搬入作業が行われている。
昨年9月に行われた模型作品による1次審査で「実物制作指定作品プラン」に選ばれた15作品が、会場となる「UBEビエンナーレ彫刻の丘」に設置・搬入されており、クレーンなどを使った大がかりな作業や作家が現地で制作する様子を間近で見ることができる。
京都を拠点に活動する上田要さんは「満-宇部の空気-」を出展し、今月20日に搬入・設置作業を行った。作品はステンレスのキューブ状で、クレーン付きトラックで搬入し、コンプレッサーで2時間空気を注入して約2メートルの高さの彫刻を完成させた。
上田さんは「UBEビエンナーレは、大学の時の先輩が史上最年少で大賞(宇部市賞)を受賞したり、恩師も入賞していたり、『いつか自分も』と憧れの場所だった」と笑顔を見せる。
「宇部の呼吸と自身の感情を吹き込んだ作品。生き物にとって重要な役割である空気(のように)存在している目には見えないものを見える形で表現した。宇部の空気や自然、景色など宇部を取り込んだ宇部でしか作れない作品ができた。表面は鏡加工を施しているので、朝や夕方、天気などその時々で違った景色を映し出してくれる。自身の顔がゆがんだり、しゃがんで子どもの目線になってみたり、見てくださった人の会話のネタの一つになればうれしい。自由な想像力で楽しんでもらえれば」とも。
現在、2作品の制作ボランティアを募集している。宇部市文化振興課の三浦梨絵さんは「なかなかできない体験だと思うので、この機会に参加してもらえたら」と呼びかける。
作品の制作期間は8月26日まで。同展の開催期間は10月2日~11月27日。