県内初となるコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard(ホテル・アールナイン・ザ・ヤード)宇部」(宇部市昭和町、TEL 0836-52-7582)が8月30日、宇部にオープンした。
運営はホテル事業やトランクルーム事業などを展開する「デベロップ」(千葉県市川市)。「HOTEL R9 The Yard」シリーズは、宿泊と災害支援の2役を担うコンテナホテルとして、2018(平成30)年12月に1号店が栃木県真岡市にオープン。全国にも展開し、宇部は43店舗目となる。
敷地面積は2775平方メートル。床面積13平方メートルのコンテナ1台を客室とし、客室は「ダブルルーム」31室と「ツインルー厶」5室の全36室を用意。客室に、ユニットバスや冷凍冷蔵庫、電子レンジ、加湿空気清浄機を備える。コインランドリーや自動販売機を備えた共有コンテナもある。宿泊料金は1人5,400円~。
有事の際には、客室を速やかに被災地へ移設し、避難所などに利用できる「レスキューホテル」にするほか、地域の災害拠点としても活用する。2020年4月には長崎クルーズ船内での新型コロナ拡大防止対策として初の有事出動を行ったほか、PCR検査体制強化のために都内民間病院などへの出動も行った。
同社企画情報システム部の小原衣代さんは「当ホテルチェーンは、日常時と非常時のどちらでも役立つホテル。拠点を拡充し、全国どこへでも速やかにレスキューホテルが駆け付ける体制づくりを目指している。コロナ禍で密を回避する独立した客室が『安心な滞在』として需要があり、約7割の稼働率を維持している」と話す。
新ホテルでは8月23日から予約を受け付け、出張者やシルバーウイークに向けて家族連れや帰省者など予約や問い合わせがあり、好調なスタートを切れたという。
小原さんは「山口宇部空港や駅などにも近く、交通手段にとらわれず利用してもらえる。ビジネスマンの出張など潜在需要が見込まれる地域で、宇部ときわ公園などの人気観光地も近くにあり観光の拠点にも。日常時は気軽に泊まれるホテルとして、有事には山口県内をはじめ中国・四国地方へのレスキューホテル出動拠点としての役割を担い、災害に強いまちづくりに貢献し、皆様の安心安全に寄り添えれば」と話す。