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山口・YCAMで台湾アーティストの展覧会 台湾と日本の近代化テーマに

北九州市門司での制作の様子(撮影=山中慎太郎(Qsyum!)、写真提供=山口情報芸術センター[YCAM])

北九州市門司での制作の様子(撮影=山中慎太郎(Qsyum!)、写真提供=山口情報芸術センター[YCAM])

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 台湾を拠点に活動するアーティスト・許家維(シュウ・ジャウェイ)さん、張碩尹(チャン・ティントン)さん、鄭先喻(チェン・シェンユゥ)さんによる展覧会「浪のしたにも都のさぶらふぞ」が現在、山口情報芸術センター(YCAM=山口市中園町)で開かれている。

2021年に台湾で発表した「等晶播種」展示風景

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 同館の開館20周年記念事業の一環。許さんらは、これまで共同で日本統治時代の台湾における砂糖産業を起点に、台湾と日本の歴史的関係や近代化の記憶を辿るプロジェクトを行っており、同展は2021年に台湾・台北で発表された作品に続く第二部として、同館とのコラボレーションにより制作した。

 同作は、二部作で構成する。第一部の「等晶播種(とうしょうはしゅ)」は、製糖業で発展した台湾の街・「虎尾(フーウェイ)」を舞台に、砂糖の結晶をイメージした形のスクリーン3枚で映像を上映。台湾の伝統的な人形劇「布袋戯(ポテヒ)」による語りや音楽とともに描く映像インスタレーション。

 新作の第二部「浪のしたにも都のさぶらふぞ」は、「上映型パフォーマンス作品」で、虎尾(フーウェイ)の製糖工場と同じ会社が運営する製糖工場があった門司および門司港の近代化や戦争の記憶を、地域に伝わる平家の物語と重ねながら、日本の伝統的な人形劇である人形浄瑠璃とCGアニメーション、音楽のほか、VRデバイスを装着したダンサーが登場しパフォーマンスを行う。

 関連イベントとして、「キュレータートーク」(6月18日、7月23日、8月26日)や、作品について参加者同士でディスカッションする「サンカクトーク」(6月17日、7月9日、7月23日、8月26日)も実施する。両企画とも参加無料、要申込。

 同館の奥田奈々子さんは「3人は国際的にも注目集めるアーティスト。ミーティングを幾度も重ね、制作期間はおよそ2年にわたる。伝統と現代の表現、現実と仮想世界が織り交ざり、いろいろな要素が絡み合った作品。2部の作品を通じ、日本と台湾の知られざる共通点や歴史を知り、二つの都市の記憶を紐解いてもらえたら」と話す。

 開催期間は9月3日まで。上映時間は、平日=14時5分~、土曜・日曜・祝日=10時45分~、12時50分~、14時55分~、16時20分~。各回約40分。入場無料。火曜休館。

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