パン店「菊本」(山口市吉敷赤田2)が山口にオープンして1カ月がたった。オープン日は8月17日。
店主は元銀行員の菊本拓志さん。菊本さんは「銀行員時代にコンサルティング業務に関わった際、経営を学んだことや副業を考えたことが自分の暮らしを見直すきっかけになった。家族と過ごす時間を大切するために、家で仕事をすることが今の自分の幸せだと気づき開業を決意した」と話す。
菊本さん自身が病気を経験したこともあり、「体を作るもの」を提供しようと口にする機会の多いパンを選んだという。店舗は祖父が住んでいた家を改装し、菊本さんが1年かけて作った薪釜で焼いたパンを提供する。
提供するパンはカンパーニュ1種類で、商品名は「御養ひ(おやしなひ)」(3,600円、ハーフ=1,900円、1/4=1,000円)。「御養ひ」とは、滋養を表し、パンが日本に伝えられた際に宗教書でパンのことを「御養ひ」と訳してあったことから名付けた。北海道産の小麦粉、萩産の塩を使い、直径30センチの大きさで、歯ごたえと酸味が特長という。
販売は、ウェブサイトからの事前予約制。毎週木曜に予約を開始し、翌週土曜に店頭で商品を渡すほか、通販でも販売する。
菊本さんは「現在は銀行員の経験を生かして「お金の相談人」としても活動し、その人がやりたいことを実現するにはどう生きていけば良いかを一緒に考えている。日々を健やかに楽しむ土台を作ることをコンセプトに事業を展開し、理想の暮らしを実現するために、ゆくゆくは『御養ひ(おやしなひ)屋』になりたい」と話す。
「店をオープンする時は、頑張る人を応援したいという気持ちが強かったが、今では自分が応援され、支えられていると感じることが多い。お互い家族のような気持ちになれる場でありたい」と笑顔を見せる。
土曜の営業時間は9時~15時。