宇部・ときわ公園や市街地で6月27日、山口県観光業界の風評被害対策として韓国のブロガーを招き取材ツアーが行われた。
東日本大震災の風評被害を受け韓国から山口県への旅行者が減少しているのを受け、「ビジット・ジャパン風評被害対策緊急事業」として行われた同取り組み。一般消費者に対する情報発信力と影響を持つ韓国・釜山近郊に在住するブロガーを招き、ブログで発信してもらうことで山口県の認知度向上を図ろうと中国運輸局が主催した。同ツアーは、ブロガーのほか韓国の旅行エージェントも含め県内各地を巡る日程で行われており、8月中旬までに4回招待する。
来宇したブロガーは韓国ブロガーのチョン・サンチョンさん、カン・ウォンヒさんら5人。5人はウェブ上でのやり取りから今回の旅行メンバーに発展したという。一行は今月26日に海路で来日。下関市立しものせき水族館「海響館」や唐戸市場、「長府毛利邸」などを散策し、27日に宇部入り。ときわ湖水ホールでは久保田后子宇部市長が出迎え、宇部の歴史やときわ公園の魅力を伝えた。チョンさんらはメモを取りながら真剣に聞き入り、その後、ときわミュージアム熱帯植物館やペリカン島、遊園地を散策した。
来日は6度目、旅行記を主に掲載する自身のブログには1日約1600アクセスあるというキム・ヒョンチョルさんは「山口県を訪れるのは初めて。宇部に来て食べた『おごっそ蟹せんべい』がとてもおいしかった。釜山では山口県の風評被害は耳にしないので安心してほしい。ここに来ないと体感できないものを伝えたい」と話した。
県観光交流局観光交流課の三浦健治さんは「今回は新しい情報発信の手段の一つとして行った。天候が心配だったが、ときわ公園を気に入ってもらえたようだ。韓国の人に山口のことを知ってもらえるきっかけになれば」と期待を寄せる。
一行は宇部に宿泊し、28日に北九州・門司を訪れる予定。