宇部・新川のラーメン店「味の三平」(宇部市松島町、TEL 0836-21-8212)の通常メニューにない「甘口」は「減塩ラーメン」だった。
昨年11月、フェイスブック内のグループ「山口県ラーメン好き集まれ♪」に宇部市在住の女性が「超甘口というのにしてもらいましたー。」(原文ママ)と投稿したのが発端。
通常メニューにはないことから、地元ラーメンマニアから「なんですかその裏技チックなの!」「甘口?!えっっ」「どんな味?」(以上原文ママ)などのコメントが集まり、話題となった。
事の真相を確かめようと昨年12月に山口宇部経済新聞が取材を申し込んだところ、店主は快諾したものの店側の事情などで延期になっていたが、ようやく取材が実現した。
真相について聞いたところ、「塩分を少な目にしたもの」と店主の縄田靖子さん。スープと一緒に味付けとして入れるしょうゆを減らして提供することで、塩分を控えたラーメンにしているという。「最近は身体の事情を抱えていらっしゃる方も多く、個別の要望に応えている」と話す。
「甘口」は通常の「ラーメン」(580円)よりもまろやかでさっぱりとした味わい。テーブルに備え付けたしょうゆで味を調整できる。価格は通常のラーメンと同じ。
1968(昭和43)年に縄田さんの父・源治さんが創業した同店。こってりとした独特の豚骨味と風味が特徴の「宇部ラーメン」の中でも、あっさりとした味わいのラーメンとして幅広い層から支持を集め、根強いファンを持つ。
現在は、縄田さんをはじめ女性スタッフ5人で切り盛りし、のれんを守り続けている。豚骨100%のスープは創業以来47年間継ぎ足し続けてきたもので、毎日7時には火にかけて煮込む。
「私が店を手伝うようになってもう30年以上になる。地域の方に支えられてきた中で、お客さまへの気配りや細やかな要望に応えるように努めている」と縄田さん。「父からいつも、日々感謝する気持ちを忘れるなと教えられてきたが、味とともに気持ちも受け継いで営業している。お客さまの成長を見ることができたり、チェーン店にない付き合いができたりすることがいいところだと思う。待っていてくださる方からの応援をエネルギーに、味を伝えていきたい」と笑顔を見せる。
営業時間は11時~16時。日曜定休。