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宇部の「豆汰豆蔵」が移転して営業再開 店主「今までと変わらぬ味届ける」

「豆汰豆蔵」外観

「豆汰豆蔵」外観

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 宇部の豆腐店「石臼挽き豆腐 豆汰豆蔵(まめたまめぞう)」(宇部市妻崎開作、TEL 0836-39-7430)が8月9日、宇部・厚南に移転オープンして1カ月を迎えた。

「豆汰豆蔵」の手作り豆腐

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 これまで「持世寺温泉」(吉見)の敷地内で営業していた同店。2023年7月に豪雨被害を受けて営業を休止していたが同所での再開を断念し、店長を務めていた古谷博昭さんと接客や製造に携わっていた妻の佑里子さんが移転して開いた。

 古谷さんは「2020年はコロナ禍で休業し、翌年に1年2カ月ぶりに営業再開できたが今度は水害。18年ほど前にも浸水被害があり、開業以来2度目だった。浸水した店のありさまを見た瞬間、心にぽっかりと穴があき、あの時は涙も出なかった。復旧に向けて動いたが簡単に物事が進まず、前店舗での再開を断念した」と振り返る。

 「私たち夫婦が『豆汰豆蔵』のファンで、店をなくしたくないという思いで再開を志したが、良い物件が見つからず途方に暮れていた。もう諦めようかとも思ったが、待ってくれている人たちの顔が浮かんだ。そんな時に新光産業(宇部市)の沖将介社長から声がかかり、同社の敷地内で開店することができた」と話す。

 店舗面積は約100坪で製造工場も併設する。国産の大豆と霜降山の水で豆腐を作る製法は変えず、「昔ながらの石臼びきにこだわり、なめらかな食感と大豆の香りや甘さを楽しめる」という。

 店頭には、朝4時から店内で作る「もめん豆腐」(350円)、「きぬ豆腐」(以上350円)、「おぼろ豆腐」(400円)、「厚揚げ」(2枚400円)、「おからサラダ」「あげ豆ちゃん」(以上250円)、「ざる豆腐」(500円)、「豆汰の豆乳」(500ml、450円)などが並ぶほか、「豆乳ソフトクリーム」(400円)も提供する。

 移転オープンから1カ月。初日には約300人以上が来店し、開店から2時間弱で全商品が完売したという。「営業再開を楽しみに待っていてくれたことを改めて実感した。また豆腐が作れることもだが、お客様の笑顔を見れることがなによりの喜び。再開を望む声に支えられ、こうして再開できて感謝の気持ちでいっぱい。『ほかで買い物した後、この豆腐を買って帰れることが嬉しい』など、立地的に寄りやすくなったと喜んでもらえており、新規客も増えている」と古谷さん。

 「冬季限定の豆乳プリンなど以前人気だった商品の復活や、新商品なども今後は考えていく。長年続けてきた味を守り、今までと変わらないおいしい豆腐を届けていきたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は10時~18時(完売次第終了)。水曜、第1・第3火曜定休。

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