宇部・井筒屋(宇部市常盤町1、TEL 0836-35-8100)1階で12月8日、下松市在住の水引工芸作家・廣瀬倍美さんの作品展「水引(みずひき)むすび人」が始まった。
同展は、祝儀袋などに使われているひも(水引)を使った小物の作品展で、来年の干支(えと)の卯(う)、羽子板の羽やツルをモチーフにしたもののほか、ポエムが書かれた色紙などを展示即売している。価格帯は600円~5,800円。
「20年ほど前に偶然入った雑貨店でカラフルな水引を見かけ、とたんに引かれた」と話す廣瀬倍美(ますみ)さん。初めは手本など何もなく、祝儀袋の結び方や結納品専門店に飾ってあるツルなどの作品を何度も見て研究し、全て独学で創作を始めたという。廣瀬さんは「今までに作成した作品よりも、一つの作品を完成させるまでに作る試作品の方が多い。一つの作品につき何十個と試作品を作るので試行錯誤の繰り返し。作品が出来上がるまでが一番大変」と話す。中には考案に1年かかった作品もあるという。
廣瀬さんの作業場には常に300色以上の水引が置いてあり、完全受注生産で商品を提供している。年に数回展示即売を行うときには季節感を重視し、そのシーズンに合ったモチーフの作品を作っているという。
「作り始めて20年ちょっとたつが、今も常に模索中。この作品作りにゴールはないと思う。『水引』と言われてもピンとこない人も多いと思うが、水引で人と人の心をつないでいけたら」とも。
営業時間は10時~18時30分(最終日は15時まで)。12月14日まで。