山口・木町に6月1日、陶芸のアトリエ「pacca paca(ぱっかぱか)」(山口市木町、TEL 090-4580-1756)がオープンした。
同アトリエは、山口市在住の陶芸作家、田端涼さんが開いたもの。瑠璃光寺五重塔のある香山公園そばに位置する一軒家をアトリエに改装した。和室を利用して作品を見てもらうための展示スペースも備えている。アトリエでは販売をメーンにせず、山口県外のショップなどで販売を行う。
代表作は、二本足の付いたフリーカップで、陶器で作られた椅子や犬の部品に立てかけて使用する。安定感がないのが特徴で、使い勝手よりも、見て愛着が沸くことが重視されている。カップは人の形になっていて、よく見るとまつげが付いていたり、洋服が違っていたりと、少しずつ変化を持たせ丁寧に作られているのが特徴。田端さんの作品は、人や動物などの生き物をモチーフとしたものが多く、フリーカップ(10,000円)、置物(30,000円)、トリスプーン(1,500円)など。
長崎・五島列島出身の田端さんは福岡でOLをしていたが、5年前から山口市に住み始めた。3年半前、「山口ふるさと伝承総合センター」(山口市下竪小路)の陶芸教室に通い始めたのがきっかけで、自分の店や工房を持ちたいと思い始める。今年3月に物件の紹介を受け4月に入居。徐々に環境を整えながら今月のオープンを迎えた。
田端さんは「まだ始めたばかりなので、自分のアートを模索中。自分の欲しいものがなくて、それなら自分で作ろうと思ったのが今の作風になったきっかけ。やってみると、作りたいものがどんどん出てきて、これで生活していきたいと思った。ほかの人の影響は受けずに、自分だけのオリジナルのものを作っていきたい」と話している。
展示スペースの開放時間は、11時~17時。不定休。「作陶がメーンとなるので、作品を見たい場合は、できれば事前に連絡をしてほしい」(田端さん)とも。萩の土を使った、手びねりの萩焼体験も実施している。1時間30分=3,800円。予約制。
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