宇部ときわ湖水ホール(宇部市沖宇部)で3月16日、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルの展示が始まった。主催は夢宇宙実行委員会、宇部天文同好会。
はやぶさは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2003年5月に世界初の小惑星サンプリングリターン計画の一環として、地球から4200万キロメートルの位置にある小惑星「イトカワ」に向けて打ち上げたもので、2005年9月に到着するとサンプリング採取やさまざまな観測を実施。
地球への帰還が3年延長になるなどのトラブルを克服し、一昨年6月13日にオーストラリアの砂漠地帯へ着陸を成功。はやぶさ本体は大気圏で燃え尽きたが、カプセル内からはイトカワの岩石質微粒子などが回収された。
今回の展示では、実物のカプセルの心臓部「搭載電子機器部」、本体部分の「インスツルメントモジュール」、地球投下の際に使った「パラシュート」、大気圏の熱から守った「背面ヒートシールド」、「前面ヒートシールド(レプリカ)」のほか、はやぶさの実物大模型なども展示する。
宇部天文同好会・会長の久幸美雄さんは「宇部にはやぶさが来てくれるとこが奇跡のように思う。大変貴重なものなので一人でも多くの方に見て楽しんでいただければ」と話す。
期間中、併せて講演会などを実施。18日には「『はやぶさ』使われたポリイミド」と題して宇部興産の航空宇宙材料開発室の渡壁秀治さんらが講演するほか、16日・18日・19日には春の星座と惑星の星空観察会を行う。詳しくはホームページで確認できる。
開催時間は10時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。今月20日まで。