夏休み中の子どもたちに宇部の魅力を伝える体験イベント「キッズうべたん」が7月19日、始まった。
小・中学生を対象に、ものづくりや職業体験を通して地元に愛着や誇りを持たせることを目的にした同イベント。8月10日までの期間中、宇部市内の各所を舞台に36プログラムを実施する。
7月22日には、宇部市民活動センター「青空」(宇部市新天町1)で木製帆船模型の制作体験プログラム「カリブの海賊船・ブラックパール号」が実施され、地元の小学3年~6年生の23人が参加。金づちとくぎを使って船の土台を作り、帆となるドクロマークが付いた布などのパーツを組み合わせ、ゴム動力で水面を進む「伝説の海賊船」を制作した。
同プログラムを実施したのは、趣味サークル「宇部帆船模型の会」。代表の寺井勝さんは現役時代、船員として国内航路を中心に軍用船やセメントタンカー、防災船などに乗っていた経歴を持つことから、元来の船好きと知人からの勧めで定年後に帆船模型の制作を始め、15年ほど前に同会を発足。現在は、帆船模型の展示会や教室などを開きながら「ものづくりの楽しさを知ってほしい」と子どもたちに向けた教室も開いている。
寺井さんは「帆船は、見た目の美しさと古く長い歴史が詰まっていることが魅力。何よりも、私自身が童心に返ることができる。ロマンと冒険、夢が詰まった帆船の魅力をこれからも伝えたい」と話す。
友達同士で参加した藤井俊輔くん(藤山小5年)は「夏休みの自由研究として参加した。くぎを真っすぐに打ち込む作業が難しかった」と話す。門田海斗くん(同)は「とてもかっこいい船ができたのでうれしい」と笑顔を見せた。
同日は、山口宇部経済新聞の記者体験プログラム「ドキドキ取材体験」も実施。小学4年~6年生の5人が参加。宇部経記者から取材のポイントや心得などのレクチャーを受けた後、「カリブの海賊船・ブラックパール号」制作の取材に出向き、初めての取材に挑戦。話を聞きながら同時にメモを取ることに苦戦したり、会場の雰囲気に緊張したりしながらもインタビューや写真撮影を体験した。
取材体験に参加した大上いくこさん(恩田小6年)は「慌ただしい雰囲気の中での取材だったが、普段よりも声を出して質問することができて良かった。記者の仕事は大変だと知った」と話す。岩村まいさん(神原小5年)は「質問しようと思った時に頭が真っ白になったが、すごく集中して相手の話が聞けた」と話す。
山根夕陽くん(川上小5年)は「相手の目を見て話を聞くと、どんな気持ちで話をされているかとか、どこが重要なところなのかが分かった」。西村花実さん(同)は「取材の前は難なく質問できるだろうと思っていたが、緊張した」。山根朱優さん(同4年)は「聞きながらのメモは書くスピードが追い付かずに大変だったが、記者を体験できて良かった」と笑顔を見せた。
参加した児童たちが書いた記事と撮影した写真は、山口宇部経済新聞の特集ページで掲載している。