パキスタンとアフガニスタンで30年間にわたり、医療や農業支援の活動を行う医師・中村哲さんの講演会が8月30日、宇部市渡辺翁記念会館(宇部市朝日町8)で行われる。主催は山口大学医学部国際医療研究会。
福岡市出身で九州大学医学部を卒業した中村さんは、国内病院の勤務を経て1984年にパキスタン北西のペルシャワールに赴任。以来、ハンセン病の治療や難民キャンプ・山岳地帯の医療過疎地域に診療所を開設するなど貧困層への医療活動を続けてきた。
2000年以降は、専門外でありながらもアフガニスタンの干ばつによる水不足の解消のために、飲料用の井戸1600本と灌漑(かんがい)用の井戸などを掘削。約7年間かけて約25キロもの農業用水路も建設し、砂漠化した農地を約3年でよみがえらせた。
当日は「アフガニスタンに生命の水を」を演題に、中村さんの活動内容や体験談、エピソードを約2時間にわたり講演するほか、隣接する宇部市文化会館の1階展示室で「現地報告写真展 ~人・水・命 30年のあゆみ~」を開く。
講演は14時開演で入場料300円。定員1300人。写真展は10時からで入場無料。問い合わせは宇部市文化創造財団(TEL 0836-35-3355)まで。