宇部・西岐波の「吉田芋粥会」が6月3日、春に活動する女王バチを捕獲・駆除するための「スズメバチトラップ」を回収した。
同会は、スズメバチ被害を減らすために毎年春に手作りのわなを仕掛けている。7回目の今年は130個のわなを用意して、4月30日に各会員宅や吉田児童公園、バス停などに設置。約1カ月後の同日、8時30分から会員11人が回収作業を行った。
今年は、昨年(197匹)の約2.5倍となる483匹のスズメバチを捕獲。オオスズメバチ109匹、キイロスズメバチなど374匹を捕らえたほか、アシナガバチ300匹以上も捕獲した。最も大きなものは体長5.3センチほど。
捕獲数が大幅に増えた要因は、わなに改良を加えたことにあるという。今年は一度わなにかかったハチが外へ出られないように、出入り口となる穴を2.5センチから1.5センチに狭め、誘引剤にはこれまでの材料(焼酎、果汁100パーセントのオレンジジュース、食酢)に乳酸菌飲料を加えた。
同会事務局の布田悟さんは「環境省のツマアカスズメバチ防除計画に、乳酸菌飲料入りの誘引剤について記述があり、作秋試験的に同様のトラップを設置したところ、多くの働きバチが駆除できた。春にも良い成果を挙げることができてよかった」と喜ぶ。
同会は2009年に地域住民の親睦を目的に結成され、現在はスズメバチ駆除の取り組みや清掃活動などで地域貢献を行っている。「今年もけがなく、安全に駆除できたことが何より喜ばしい。今後も地域のみんなが安心して生活できるよう、力になっていければ」とも。