50年の歴史に幕を下ろす宇部エリア唯一の百貨店「宇部井筒屋」(宇部市常盤町1、TEL 0836-35-8100)の閉店まで、残り1週間となった。
1969(昭和44)年に百貨店・ちまきやを引き継いでオープンした同店。1994年のピーク時には約72億円の売り上げを記録したが、郊外型SC出店などのあおりを受けて右肩下がりになり、2016年には経常利益が赤字に転じた。昨年から1年間をかけて継続に向けた協議が進められてきたが、7月31日に閉店を発表した。
閉店発表後からこれまでの様子について、田邊浩二店長は「来店客数も増えたように感じるが、『寂しくなるね』『これからどこで買い物をしたらよいのか』などの声が日々寄せられている。お客さまとのお付き合いが長いからこそ、寄り添いながら地域貢献できたように思う」と話す。
閉店後の建物と土地は宇部商工会議所が取得する意向を示しており、現在、優先的に協議を進めている。
「生き残りを懸けて、90年台にはおのだサンパーク内や山陽小野田・厚狭の商店街に出店したこともあった。地方百貨店の閉店の波をここまで乗り越え、50年間営業できたのは地域の皆さまのおかげ」と田邊店長。「最後の日までトラブルのないように務め、いつも通りに粛々と営業したい」と話す。
来年3月下旬には「ゆめタウン宇部」(黒石北3)1階に約130坪のサテライトショップを開き、婦人服や菓子、雑貨などを取り扱うほか、外商部門の機能も併せ持つ予定。
営業は今月31日18時まで。閉店時間には、最後の利用客の見送りと店長あいさつのセレモニーを予定する。