長門市出身の画家・香月泰男の生涯を描く音楽劇「KAZUKI~ここが私の地球」が、3月30日と31日に宇部市文化会館(朝日町8、TEL 0836-31-7373)で上演される。主催は宇部市舞台芸術フェスティバル実行委員会。
芸術振興を図ろうと市民らでつくる同実行委員会が、香月の生誕110周年と、香月と親交のあった宇部市ゆかりの画家・松田正平の生誕105周年を記念して上演。2021年までに長門市、下関市など県内7市で行う巡回公演の初回。宇部市出身で実行委員会代表の品川能正さんが脚本・演出を手掛ける。
2004年に品川さんがプロデュースする劇団で上演し、海外でも高い評価を受けた同名の劇を新たな音楽や演出で再演。香月の学生時代から、代表作「シベリア・シリーズ」創作のきっかけとなった太平洋戦争やシベリア抑留時代、故郷・長門市での晩年までを、ダンスや映像演出も交えて描く。
プロの俳優や市民、市内ダンス教室に通う子どもたちも出演する。巡回の度に、キャストや使用楽曲が変化する。宇部公演で使用する小道具のおもちゃは宇部市の原小学校と、香月の母校、長門市・明倫小学校の児童が制作。7市の巡回に合わせて、計7校がおもちゃ制作に参加する。
品川さんは「香月は海外ではピカソと同等の評価を受けているが、地元山口県では広く知られていない。子どもたちには、香月が晩年に取り組んだおもちゃ制作を経験するところから、彼への理解を深めてもらおうと思った。この作品に子どもたちが参加することに大きな意義がある」と話す。
「公演ごとに変わるキャストや演出を楽しんでほしい。地元の誇りである香月の生涯を知ってもらうとともに、戦争と平和について考えるきっかけにもなれば」とも。
30日は18時、31日は13時と17時に開演。チケットは一般=1,500円(当日1,800円)、中高生=500円、小学生以下無料。11月30日と12月1日には山陽小野田市・不二輸送機ホールで上演する。問い合わせは実行委員会(TEL 080-5514-4883)まで。