宇部・西岐波の「吉田芋粥(がゆ)会」が6月14日、春に現れる女王バチを捕獲する「スズメバチトラップ」を回収した。
今年は新型コロナの影響もあり、例年より遅い5月13日に誘引剤入りのトラップ65個を仕掛けた。当日回収したトラップ内には、スズメバチ247匹(オオスズメバチ77匹、キイロスズメバチ170匹)、アシナガバチ33匹を捕獲。最も大きい女王バチは体長約6センチに及んだ。
会員の中でも力を入れて取り組む布田悟さんは「今年はスズメバチが早い時期から目撃されていた。仕掛けたトラップの数は少ないが、昨年の倍以上を捕獲できた。昨年は晴天が続いてトラップの中の誘引剤が乾いてしまって少なかったのかも。今年も例年通りの数を仕掛けていたら、もっと多く捕獲できていたと思う」と話す。
同会の会員が自宅近くでスズメバチに襲われたことをきっかけに2012(平成24)年から行っている取り組み。宇部市生活衛生課の指導のもとにトラップを作り始め、サイズや誘引剤などの改良を重ねながら活動を続けている。現在では「トラップが欲しい」と他の地域から問い合わせがあるという。
福田和夫会長は「仕掛ける時期に緊急事態宣言が出されたこともあり、今年は中止しようという声が上がっていたが、スズメバチが飛んでいるのが目撃されたことから有志の5、6人で話し合い、感染に気を付けながら作業した。防府市で特定外来生物に指定されているツマアカスズメバチが見つかったと聞いて心配していたが、捕獲した中にはいなかったようなので安心した」と話す。
布田さんは「来年は10回目を迎える節目の年。今年は各家庭1個と少ない数しかトラップを仕掛けられなかったので、みんなで話し合いながら数を元に戻したい。元々『吉田芋粥会』は親睦のための寄り合いなので、楽しみながら続けていければ」と笑顔を見せる。