ひな人形を鑑賞しながら街歩きを楽しむイベント「大殿ひなさんぽ」が現在、山口の大殿大路で行われている。
今年で10回目の節目を迎える同イベント。近隣の住民が市指定文化財の「十朋亭(じっぽうてい)」にひな人形を持ち寄り飾っていたことが発端となり、2012(平成24)年にイベントとして初開催した。
主催は、観光案内所兼アンテナショップ「大路ロビー」を運営するNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」(下竪小路)。大内文化や明治維新の町並みが残る地域の魅力発信や、日本の伝統文化の継承を目的に行う。
同法人理事の河野智さんは「イベントを始めた当初は中年世代のご夫婦が多かったが、最近はカフェなどが増えたことがきっかけで若い世代も増えてきた。それぞれの家庭で受け継がれてきたおひなさまを通じて、おじいちゃんおばあちゃんが子どもに昔話をしたり、『交流の場』として楽しんでもらえている。山口市の町並みの魅力を知ってもらい、実際に住んでみたいなと思ってもらえたらうれしい」と話す。
期間中、昭和初期から現代までのひな人形が大殿大路竪小路周辺の民家やカフェ、公共施設などで飾られる。1回目は10カ所ほどだったが、今年は過去最多という24カ所で行う。「大路ロビー」のほか、「十朋亭維新館」 「岡藤呉服店 山口店」(以上、下竪小路)、ベーグル専門店「TSUKINOWA(ツキノワ)」(大殿大路)、「お茶の鴻雪園」(後河原)など。
目玉イベントは、3月7日に行う「ひなさんぽDAY」。大内氏館跡池泉庭園で、着物リメークを中心としたショップ兼アトリエ「アトリエa.p.r」によるファッションショーを実施。今年は、感染拡大防止対策として体験型の企画は行わない。
同アトリエの片山涼子さんは「開催当初から毎年参加している。コロナ禍を受けて感じたことを作品に反映させた新作を披露するので実際に見に来てもらえれば」と話す。
3月14日まで。問い合わせは「大殿ロビー」(TEL 083-920-9220、火曜定休)まで。