ブックマンション「HONYAらDO(ほんやらどう)」が10月1日、山口市中心商店街のやまぐち創業応援スペース「mirai(ミライ)365」内にオープンした。
「ブックマンション」は、「小さな本屋さん」の集合体で大阪発祥の取り組み。同店は、「mirai365」内の創業を応援するチャレンジショップ「やまぐちポケットマーケット」の区画に出店し、本棚を貸し出す。登録料は12,000円で、月々の利用料は3,000円。
管理するのは、関東学院学院大学教授で山口市在住の伊藤明己さん。「家庭の事情で山口市に住み始めて20年。大学がある神奈川と山口との2拠点生活を続けていたが、地域との関わりは少なかった。1年前にコロナ禍でリモートワークになって散歩することが増え、地域に関わりを持つ中で何か出来ないかと考えるようになったときにこの取り組みを見つけた。商店街の中にふらっと気軽に立ち寄れる場所を作れたら」と出店を決めた。
現在は、約10組が本棚を借りており、借り主が「棚主」としてそれぞれに屋号を持ち、セレクトした本を並べて販売している。
本は、小説、雑誌、専門書、実用書、教材、絵本、漫画などで、北欧コーナーや英語コーナーのほか、カナダ好きというオーナーはカナダに関する本やグッズ、数組の主婦でグループ出店したという本棚には子育てに関する本などが並ぶ。定期的に棚主が店番を行い、手書きのPOPでのアピールやSNS発信での宣伝も行っている。
伊藤さんは「今後は、各棚主の個性を発揮したイベントなども開催していきたいし、オーナーが増えてきたら独立して商店街内に店舗を構えたいと考えている。ブックマンションは小さな本屋が人をつなぐ取り組み。地方の商店街はシャッターが閉まっているところも増えており、空き店舗も多くて寂しいが、この取り組みがシャッター街のモデルケースとして増え、にぎわいにつながれば」と期待を込める。
「当店は、本好きで自分の本屋をやってみたい方や、趣味の輪を広げたい方など、こだわりあるオーナーが集まる本屋。自分自身の、そして誰かの人生を変えるかもしれない本屋を一緒に開いてみませんか」と呼び掛ける。
営業時間は11時~17時。当面は金曜・土曜・日曜のみ営業する。