発酵食品を手掛ける「礒金醸造」(山口市阿知須)が1月20日、山口・徳佐のリンゴを使った新商品「徳佐りんご甘酒」の販売を始めた。
長門ゆずきちやショウガなどの生産者と連携して甘酒を開発してきた同社。今回は西日本最大級のリンゴ産地・阿東のリンゴを使う。昨年夏ごろに「村本りんご園」(徳佐下)の村本佳寿社長が話を持ち掛けたことが今回の商品開発につながった。
礒金醸造の礒金大樹社長は「配合が同じでもリンゴの品種が違うだけで全く別の物になる。リンゴ本来の香りと程よい酸味を生かしながら、甘酒の独特な甘さをマッチングさせることができた。お互いの良さを引き出した後味スッキリで飲みやすい味わいに仕上がった」と話す。
開発期間に約半年を掛けてさまざまな品種で試作を重ねた結果、リンゴは「ふじ」を採用した。甘酒の原料は山口県産の米と米こうじで、着色料や保存料は使わない。価格は1本360円(300ミリリットル)。
村本社長は「ほかの業種との連携は以前から考えていて、ようやく実現することができた。地域の高齢化と後継者不足が深刻な現状だが、こうした商品から徳佐リンゴの良さを知ってもらい、移住したいと思う人や新規就農につながっていけば」と話す。
礒金社長は「リンゴも甘酒もどちらも健康によいとされる食材。地域を超えた連携によってお客様に喜んでもらえる商品が誕生した。閉鎖的な気分になりがちな近ごろだが、おいしい発酵飲料を味わって体の中から元気になってもらえれば。商品を通して生産者の思いを感じ取ってもらえたらうれしい」と笑顔を見せる。
通年で販売予定。道の駅「きららあじす」、道の駅「仁保の郷」、特産品ショップ「やまぐちさん」のほか、礒金醸造のオンラインショップで販売する。販売する場所は今後増やしていくという。