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山口・阿知須にカフェ「くらのとなり」 築70年の古民家を家族で再生

店主の植木さん(右)一家

店主の植木さん(右)一家

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 山口市阿知須に10月2日、カフェ「CAFEくらのとなり」(TEL 0836-39-9968)がオープンした。

納屋を改装した店内

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  山口市出身で飲食業界歴20年の植木秀幸さんが店主を務める同店。植木さんは「これまで居酒屋やフレンチ、イタリアンなど市内の飲食店に勤務してきた。体調を崩したこともあって昨年9月に退職したが、15年前くらいからずっと自分で店をやりたいと思っていたので挑戦するいいきっかけになった」と話す。

 店舗は、妻の綾さんの実家にある築70年以上の納屋を改装し、昔の梁(はり)を生かして古民家の風情をそのまま残す。「改装作業は大工である私の父が指導してくれ、妻や妻の両親も手伝ってくれた。ロゴはいとこがデザインしてくれるなど家族総出で店づくりした」と植木さん。

 綾さんの父・松重森男さんは「いぐらの館」に長年務めていた。「私が幼い時からある納屋が、まさかこんな風に新しく生まれ変わるとは思ってなかった。この場所とともに生きてきた井戸も工事して水を吹き返した。手押しポンプで実際に体験してもらえる。歴史を大切に紡ぎ、子どもも大人も見て触れて楽しみながら学べる場所にもなってほしい。来店してくれたお客さまからは『阿知須のまちづくり』と言ってもらえた。古民家再生の見本のようになり活用する人が増えていけば」と話す。

 綾さんの母の栄子さんは「秀幸さんが声を掛けてくれたことで家も生かされて本当によかった。ご先祖さまも喜んでいると思う」とほほ笑む。

 一年がかりで完成したという店内には、テーブル席12席とカウンター席12席、子ども席1席を用意。綾さんと綾さんの両親が接客を担当する。

 ランチタイムに提供するメニューは、国産牛や豚を使った「煮込みハンバーグ」(950円)、「鹿野ウィンナーのナポリタン」(890円)や一品料理、3種類のピザのほか、「この辺りではあまりやってないことで、当店だからこそ味わえるものがやりたかった」と、スキレットで提供する「ダッチベイビーパンケーキ」を看板メニューにする。

 「ハウス野菜の朝どれサラダ」(250円)は、森男さんがハウスで育てた旬の野菜を毎朝7時に採りにいったものを提供する。近辺に早く開いているカフェがあまりないことから、9時半の開店から11時までモーニングにも対応し、「モーニングセット」(650円)を用意する。

 綾さんは「店づくりは大変だったが、娘としてもどうにかして残したいという思いがあった。家族でつくった店はかけがえのないものになった。親には第2の人生を楽しんでほしい。楽しい無駄話やちょっとの時間でも寄っていただき、くつろいでもらえたら」と笑顔を見せる。

 植木さんは「地域に密着した店を目指し、家族で長く続けていきたい。落ち着いたら曜日限定の夜カフェも始められたらと思っている。ゆったりとした時間を過ごしてもらえれば」と話す。

 営業時間は9時30分~18時(ランチタイムは11時~)。

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