山口の土産物店「長州苑」(山口市木町、TEL 083-925-5850)が9月23日、リニューアルオープンした。
1975(昭和50)年創業の「長州物産」が運営し、1989(平成元)年3月から国宝瑠璃光寺五重塔がある香山公園の隣で営業している同店。河野貴史社長は「以前から団体客に加え個人のお客さんが入りやすいようにしたかった。国の補助金に採択されたことでリニューアルを決断。新型コロナの影響で観光客が激減する中で不安もあったが、今は再出発する気持ち」と話す。
今回のリニューアルでは、売店の新築や最大360人収容できる団体食事会場の設置、レストランのメニュー変更のほか、五重塔の観光後に休憩スペースとして誰でも気軽に利用できるようにと併設のカフェ「5縁(ごえん)cafe」を新たにオープンした。屋号は、五重塔を連想させる「5」と人のつながりを意味する「縁」から名付けた。
カフェや売店には地元の人も来てほしいと商品を見直し、「地元コラボ」をテーマに商品を展開する。山口の企業とコラボしたカフェメニューの販売や、県内の人気商品や伝統工芸品などを集め、山口の良いものを発信できる場所を目指すという。
カフェで提供するメニューは、山口銘菓のういろうを飲料にアレンジしてホイップクリームをトッピングした「飲む外郎(ういろう)」(450円)や、湯田温泉の「Nishida Coffee」とコラボして作った「本日のコーヒー」(ホット=350円、アイス=400円)、「秋川牧園のチキンナゲット」(320円)、「船方農場のぐるぐるフランク」(570円)など。本日のコーヒーは、大内栄華ブレンドと毛利維新ブレンドを日替わりで提供する。
新たなコンテンツとして山口の伝統工芸体験の提供も開始。メニューは「大内人形絵付け」(殿・姫いずれか=880円、殿姫セット=1,650円)と「徳地和紙折り染め」(770円)の2種類。地域文化に触れられる体験として教育旅行や社会見学での利用を見込む。
「良い作り手がいても販路がなければ広まらない。情報の発信拠点として、アンテナショップのような存在になりたい。今後も新たな『地元コラボ』を増やしていきたい」と河野社長。「観光客が少しずつ戻り始めて、トンネルを1つ抜けた感がある。2014(元号)年に社長に就任した時、行ってみたい・もっと居たい・また来たい・ずっと住みたい山口を目指すことを企業使命に掲げたが、今回のリニューアルで近づけたと思う。県内のさまざまな商品を取り扱っているという強みを生かし、山口の良い物に出合う入り口になりたい」と意気込む。
営業時間は、売店・カフェ=8時30分~17時、レストラン=11時~14時。