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山口「やまぐちシードル」が3周年 「世界観が伝わる場所作り」目指す

社長の原田尚美さん

社長の原田尚美さん

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 山口でスパークリングワインの企画販売を行う「やまぐちシードル」(山口市小郡下郷、TEL 080-7332-9525)が9月1日で3周年を迎えた。

山口・徳佐のリンゴを使用したシードル

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 社長は山口出身の原田尚美さんで、2016(平成28)年に山口市の地域おこし協力隊着任をきっかけに関西からUターンした。原田さんは「もともとワイン好きで、休日には援農ボランティア活動やワイナリー巡りをしていた。山梨のこぢんまりとしたワイナリーが印象的で、山口にあったら面白そうと思った。10代の頃は『山口は何もない』と思っていたが、『山口の自然を生かして地元をにぎやかにしたい』と考えるようになり、そのタイミングで地域おこし協力隊の募集を知り、山口に帰る決意をした」と振り返る。

 着任後は「山口市の地域特性を踏まえたビジネスモデル構築」というミッションの下、山口・徳佐のリンゴ農家との出会いをきっかけに、リンゴを発酵させて造るスパークリングワイン=シードル作りに取り組んだ。原田さんは「カジュアルで手に取ってもらいやすいこともあってシードルを選んだ。シードル市場は徐々に盛り上がっている」と話す。

 任期満了後の2019年、徳佐りんごを使ったシードルの企画販売を行う「やまぐちシードル」を創業し、2020年2月に販売所をオープン。原田さんは「振り返ると、あっという間だった。創業当時、シードルについては知り合いが何となく知っているくらいだったが、今は『シードルが気になっていた』とイベントなどでも声を掛けられるようになった。実際に商品を販売することでつながりが広がり、日々ありがたいと感じている」と笑顔を見せる。

 現在販売しているのは、山口県の穏やかな山々をイメージした甘口の「YAMA(ヤマ)シードル」(750ミリリットル=3,300円、375ミリリットル=2,400円)と、山口県に吹き込むすがすがしい潮風をイメージした辛口の「UMI(ウミ)シードル」(375ミリリットル=2,200円)。販売所と県内16店のほか、通信販売やイベント出店で販売する。

 「循環型かつ持続可能でさらにおいしい商品を目指し、台風で落下したリンゴや間引き後に廃棄されるリンゴを使ってこれまで毎年新しい商品を開発している」という。今年も新商品の発売を予定する。

 今後について、原田さんは「やまぐちシードルの世界観が伝わる場所を作るのが目標。シードルを通じて山口はリンゴがおいしいことや、料理に合わせて楽しむことで山口の食材を知ってもらうきっかけになれば。もともとワイナリー訪問が好きなので、やまぐちシードルで使っているリンゴが見られたり、食事をしながらシードルが飲めたりするなど、拠点となるような場所を構えたい」と笑顔を見せる。

 販売所の営業は水曜・土曜の11時~16時。

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